生物多様性には昆虫など低知名度の種も重要、英科学者が保護促す

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[オスロ 19日 ロイター] - 著名な英科学者が、世界各国の政府は自然保護の対象をゾウやトラのように環境保護問題を代表する象徴的な種だけでなく、人類の繁栄に不可欠な昆虫などにも拡大すべきと呼びかけた。

生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)のロバート・ワトソン議長は、ロイターとの電話インタビューで「われわれは、生物多様性と生態系を、気候変動と同様のレベルに置こうとしている。食糧から医療に至るまで、人類の健康にとって生物多様性は中心的問題だ」と語った。

2018年3月には、IPBESに所属する世界100カ国超の専門家550人以上により作成された地域別の自然状態に関する報告が発表される予定で、史上最も包括的な内容となる見通し。このほか、土壌劣化と修復の現状も報告され、2019年には世界の生物多様性に関する概略もまとめられる予定。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の元議長でもあるワトソン氏は、自然界への脅威を考えるとき、人々はライオンやホッキョクグマ、オランウータンなどを連想することが多いが、報告では生態系がどのように機能するかを巡り、はるかに広い視野で光を当てていくと説明。そのうえで、昆虫のような知名度の低い種は土壌中の栄養循環を助けるため、欠かせない存在だと述べた。

IPBESの最初のリポートは昨年発表され、蜂など授粉媒介者と呼ばれる種が殺虫剤や病気でリスクにさらされていると指摘した。