名将スコラーリが広州恒大を退任か 「欧州かアジア」での指揮継続に意欲と報道

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2002年日韓W杯の優勝監督 今季も中国超級リーグで首位を快走し7連覇に近づく

 中国超級リーグで、“爆買い”の先駆者となったクラブと言えば、広州恒大だ。

 国内だけでなくAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の舞台でも存在感を見せてきた同クラブにあって躍進を導いてきたのはルイス・フェリペ・スコラーリ監督だが、今季限りでの退任が決まったと米スポーツ専門テレビ局「FOXスポーツ」などが一斉に報じている。

 広州はマルチェロ・リッピ前監督(現・中国代表監督)の退任後、ブラジルを2002年の日韓ワールドカップ優勝に導いた実績を買い、2015年からチームの指揮をブラジルの名将に託した。

 スコラーリ監督はその手腕を発揮し、一昨年、昨年ともにチームをリーグ優勝に導き、同リーグ史上初の6連覇を達成。就任1年目のACLも制し、FIFAクラブワールドカップ出場を果たしている。

 また、自らのブラジルコネクションを生かしてトットナムからブラジル代表MFパウリーニョ(現・バルセロナ)を獲得するなど、資金豊富なチームにあって着々と陣容を整えた。今季も27試合終了時点で2位の上海上港に勝ち点6差をつけ、7連覇へ順調な道のりを歩んでいる。

大物を招聘する広州恒大の動きにも注目

 しかし68歳となったスコラーリ監督は、クラブとの契約がシーズン終了の11月までとなっている。この契約延長を本人は断念し、現地時間19日にクラブから去ることを発表したと伝えられている。現時点でブラジルへの帰国は否定しているものの、「指揮官としてさらに拡げたキャリアを、ヨーロッパないしアジアで続ける扉は開かれている」と、今後の監督業への意欲も記されている。

 スコラーリ監督退任となれば、広州の新監督人事にも注目が集まる。選手だけでなく指導者にも世界的なビッグネームを連れてくることで知られる同クラブ。今度はどのような名監督を、中国の地に招こうとしているのか。晩秋から冬にかけての動向は、来季のACLでもライバルとなる日本側にとっても気になるところだ。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images