26日に行われるNPBのプロ野球ドラフト会議まで1週間を切った【写真:Getty Images】

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ドラフト目前、昨季は5位以下の下位選手が活躍、試されるスカウトの目利き

 26日に行われるNPBのプロ野球ドラフト会議まで1週間を切った。各球団、スカウト会議を重ね、指名候補の最終検討に入っているが、毎年、スカウトの目利きが試されるのが“掘り出し物”の発掘だ。昨季も下位指名された選手が複数活躍し、チームの戦力になった。そんな下剋上を果たした逸材たちを振り返る。

○楽天・高梨雄平投手(ドラフト9位=JX-ENEOS)

 筆頭格は社会人出身の左腕だ。支配下で全体87人中、後ろから3番目で指名された“85番目の男”の変則左腕は開幕1軍を掴むと、中継ぎで12球団ルーキー最速白星をマーク。1度は2軍落ちを経験したが、夏以降は勝ちパターンに食い込み、46試合で防御率1.03と驚異的な成績を残した。CSでも第1ステージで3試合連続無失点で突破の原動力に。完全試合を達成した早大から進んだJX-ENEOSでは不振で、残留していれば打者転向の話もあった苦労人。まさにスカウトの目利きが発揮された代表的な存在だ。ほかにも、同期のドラフト5位・森原康平(新日鉄住金広畑)ら下位指名の投手が奮闘した。

○西武・平井克典投手(ドラフト5位=ホンダ鈴鹿)

 5月に1軍初昇格すると、先発の早期降板、接戦などの場面で起用。7月にはプロ初勝利を挙げるなど、中継ぎながら2勝をマーク。42試合で防御率2.40と安定した成績を残した。楽天・高梨同様に社会人時代にオーバーハンドからサイドに変えて芽が出た経歴を持つ。来季は勝ちパターンの一角として期待したい一人だ。

低迷するチームで奮闘したパの中継ぎ、セの内野手も前半戦奮闘

○ロッテ・有吉優樹投手(ドラフト5位=九州三菱自動車)

 開幕1軍を掴み、中継ぎの一人として奮闘。チームが低迷し、脚光を浴びる機会は少なかったが、高梨、平井を上回る53試合で16ホールドを挙げ、防御率2.87と存在感を発揮した。地元・千葉の東金高から東京情報大に進み、社会人3年目でプロ入りの夢を掴んだ右腕。来季も井口新監督を支えるブルペン陣で貴重な役割を担いそうだ。

○阪神・糸原健斗内野手(ドラフト5位=JX-ENEOS)

 野手に目を移すと、印象に残ったのが社会人出身の好内野手だ。チームの新人唯一の開幕1軍入り。5月には10打席連続出塁を記録するなど頭角を現し、北條に代わって遊撃レギュラーに定着した。しかし、7月の守備で右膝を負傷し、レギュラーシーズンを棒に振った。通算66試合で打率.259、1本塁打、24打点にとどまったが、CSで1軍復帰。万全の状態なら遊撃手のレギュラーを掴んでもおかしくないだろう。

高卒新人で戦列な印象残したセの若きスラッガー

○DeNA・細川成也外野手(ドラフト5位=明秀学園日立高)

 高卒出身選手の下位選手で結果を残すのは通常2〜3年かかるが、シーズン終盤に鮮烈な印象を残したのが、高校時代に「茨城のカブレラ」の異名を取ったスラッガーだ。順位が確定した後の10月3日の中日戦で初打席初スイングで初安打初打点初得点を記録する初本塁打。翌日のシーズン最終戦・中日戦でも2戦連発となる決勝2ラン。CSのメンバー入りも掴み、高卒史上2人目の出場を果たした。まだ粗さも残るが、スター候補の一人であることに違いない。

 創価大・田中正義投手(現ソフトバンク)に5球団競合した昨年のドラフト。今回、挙げたのは5位以下の選手たちだが、1軍で活躍の場を掴んだ社会人出身選手、未来の活躍がさらに期待される高卒選手と“掘り出し物”たちが躍動した。もちろん、来年以降に芽を出してくる選手もいるだろう。

 果たして、今年のドラフトでは早実・清宮幸太郎内野手が話題を集める裏でスカウト陣が東奔西走して見つけ出した原石から、来年のプロ野球を賑わせる選手が生まれるのか。ドラフトの注目は尽きない。