エマ・ワトソンが主人公を演じる映画「ザ・サークル」は、SNSをテーマに扱った非常に今日的な作品だ Photo:AP/アフロ

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 最近の大学生は、20歳になるまでコンパなどの場でアルコールを飲まないようにしているようだ。

 順法意識が昔よりも高まっている、ということではなく、ツイッターやフェイスブック、インスタグラムなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に酔った写真が載るのを警戒しているらしい。未成年時の飲酒がSNSによって発覚し、企業からの採用内定が取り消しになることを彼らは恐れている。実際、内定を出した学生の過去をSNSでチェックする企業は近年少なくない。

 当初、SNSは個人の自由な表現の場であったわけだが、いつの間にか常に日常生活を人々が監視し合う状況を生み出してしまった。

 顔面認識技術がより普及すれば、ある人の顔写真をインターネットで検索するや否や、過去の写真や動画がずらりとリストアップされる時代になる。少々の「若気の至り」であっても許されない不寛容な社会になる恐れがある。

 街中の監視カメラがさらに増えたり、カメラを載せたドローンが多数飛んだりするようになれば、その人の居場所を突き止めるのも容易になる。匿名が許されない監視社会はすぐそこまで来ている。

 先日、飛行機の中で映画「ザ・サークル」を見た(日本公開は11月10日)。まさに巨大IT企業がそうした監視社会の構築に傾注していく不気味さを描いた、非常に今日的な映画だった。

 エマ・ワトソン(写真)が演じる主人公は、米IT界の巨人であるグーグルとフェイスブックとアップルが合体したかのようなIT企業、サークルに就職する。私生活での協調も求められるその企業文化に最初はなじめなかった彼女だが、徐々にトム・ハンクスが演じる創業者兼CEO(最高経営責任者)の戦略を具現化する、最も先鋭的なスタッフになっていく。

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