プレミアリーグで熾烈な争いを繰り広げるチームを率いるモウリーニョ(右)とコンテ(左)。両者による舌戦は直接対決を大いに盛り上げそうだ。 (C) Getty Images

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 マンチェスター・ユナイテッドは現地時間10月18日のチャンピオンズ・リーグ(CL)で、ベンフィカに敵地で1-0と勝利し、今シーズンの公式戦無敗をキープした。
 
 スコアレスドローに終わったプレミアリーグ8節のリバプール戦に続く、僅差の試合結果に加え、その守備的な姿勢を批判されたマンチェスター・Uだが、指揮官のジョゼ・モウリーニョは全く意に介していない。
 
「我々は12試合を戦って10勝2分けで、クリーンシートも9つある」と、結果を出していることを強調するモウリーニョは、ベンフィカ戦も自軍が試合をコントロールしていたとし、守備重視は勝利のためだと述べている。
 
「失点する気がしなかった。守備が非常にソリッドだったからね。守備が優れていることが犯罪かのように感じることもあるが、実際は違う。守備が良いことは、結果を出すための第一歩なんだ」
 
 現在のマンチェスター・Uは、ポール・ポグバやマルアン・フェライニ、マイケル・キャリック、エリック・バイリー、マルコス・ロホ、ズラタン・イブラヒモビッチと多くの故障者を抱えている。だが、モウリーニョは、「怪我人について嘆いたことはない」と述べ、負傷者の存在を嘆く他クラブの指導者を暗に批判した。
 
「他チームの監督たちは泣いて、泣いて、泣いてばかりだが、私は泣かない。なぜなら負傷している選手のことはひとまず考えないで、起用できる選手たちを信頼しているからだ」
 
 具体名を避けたモウリーニョだが、矛先がチェルシーの指揮官アントニオ・コンテに向いていたと察するのは想像に難くない。というのも、チェルシーはエヌゴロ・カンテやヴィクター・モーゼス、ダニー・ドリンクウォーターなどが相次いで離脱しており、コンテもそのことを嘆いていたからだ。
 
 10月18日のローマ戦(CL)では、エースのアルバロ・モラタこそ復帰したが、ダビド・ルイスが負傷交代を余儀なくされ、さらにティエムエ・バカヨコも鼠径部を痛めている。試合後に「緊急事態」と評したコンテは、モウリーニョの発言について記者に問われると、「私のことを言っていると思うかい?」と不快感を露にした。
 
「もしもそうなら、彼は他じゃなく自分と自分のチームのことを考えるべきだ。モウリーニョはいつもチェルシーのことを見ている。昨シーズンもそうだった。彼は、もっと自分のチームのことを考えるべきだよ」
 
 モウリーニョは昨シーズン、チェルシーがホームでマンチェスター・Uに4-0と大勝した際、試合後にタッチライン際で大喜びするコンテに、「私なら大差をつけた相手に屈辱的な態度はとらない」と苦言を呈しており、両者の間には不穏な空気が漂っている。
 
 そうした中での今回の舌戦で、現地11月5日に開催されるプレミア11節の今シーズン初顔合わせがより一層の注目を集めることは間違いなさそうだ。