「銀座で鮨」というシチュエーションは、やはりあこがれのデートではないだろうか?

そんなときにも恐れることなかれ。東京イチの大人の街「銀座」は、一流の店こそ、お客様には恥をかかせない。

銀座には意外に門戸が広く、ビギナーに優しい鮨の名店が揃っているのだ!今回はなかでもおすすめの10店を一挙に紹介しよう。



「お任せお料理コース」(1人前¥12,000 税込)
鮨をシャンパンで味わう、新感覚のレストラン
『銀座 815』

英国王室御用達を拝命する希少な名門シャンパーニュメゾン「ボランジェ」の正規輸入代理店であるアルカンと、端正な握りで人気の鮨屋『銀座 いわ』の店主・岩央泰氏とのコラボレーションによって実現した、“鮨シャン”レストラン。

メニューには、伝統的な江戸前の技法とイタリアンやフレンチの素材や技との出会いにこだわり、食材にはキャビアやトリュフなどを使用した、普通の鮨屋とは違う、新感覚のラインナップが並ぶ。



ペアリングコース(1名¥6,000 税込)※写真はイメージ

岩氏監修の、洋のエッセンスを取り入れたお任せコースでは、日本とフランスの伝統を最大限に引き出すペアリングを楽しむことができる。

プレステージクラスの高級シャンパンも含まれる、お得なボランジェコースでは、世界のワイン愛好家を虜にする名門シャンパーニュメゾン「ボランジェ」の魅力を余すことなく体験できる。

シャンパンのみならず、アルカン社の取り扱うブルゴーニュワインや日本酒を織り交ぜた、緩急ある構成も楽しい。



11席あるカウンター。恋人としっとりと“鮨シャン”を楽しみたい人におすすめだ




小林氏の技が冴え渡る美しく繊細な味わいの握り
経験を美味に昇華していく、異色職人の心意気
『木挽町 とも樹』

勝どきの『さヽ木』の先代・佐々木啓全氏や伝説の名店『きよ田』の新津武昭氏の師事を仰ぎ、技を磨いた店主・小林智樹氏。名店で培った正統派の技術と、自身がライフワークとするノ骨イ覇世新亳海鮓気法幅広く、かつ奥深い鮨を展開する。各地の漁師から直送される旬魚も味わい深い。



カウンターの奥には2〜4名で利用可能な個室も備える




北海道産のムラサキウニ。米は鮨用に特別につくられたものを使用
銀座にして普段の会社帰りに立ち寄れる鮨屋
『鮨ふじ田』

充実した内容のコースを¥12,000という特価で提供。そこには、店主・藤田真一郎さんの「幅広い年代の人に鮨を気軽に食べてほしい」という気持ちが込められている。

魚は瀬戸内、房総、外房から直に入れているので鮮度の良さは抜群。朝捕れたものが早ければ昼には入るそう。

その日のおすすめの魚が送られてくるため、鮨のネタとしては珍しい魚が握りに採用されることがあるのもユニークだ。若き店主が、真摯かつ穏やかに、未知の鮨の楽しさを教えてくれる。



湯葉とイクラがのった茶碗蒸し。茶碗蒸しは常時コースに含まれ、内容は日毎に変わる



店主の藤田真一郎さんは現在36歳。3年前にこの店を作り、店には店主と同年代のリピーターも多い。〈コース¥12,000〜〉


もしもまだ「銀座で鮨」に緊張するなら、先にランチで足を運ぼう!



昼の1人前握り¥3,500。大間の中トロに藁で燻した淡路の鯖、出水の新イカの握り、下田の金目などその内容は昼食としては最上級
昼から極上の鮨のコースを食べるのも、銀座流の贅沢
『銀座 くろ寿』

もし「銀座で鮨」がまだ緊張するなら、ランチで足を運び、大将と顔見知りになっておくことでハードルがぐっと下がるはず。

ここ『銀座 くろ寿』の昼の一人前握り(¥3,500)の内容の濃さは、想像の2〜3倍以上だ。ここでは握り8貫プラス、サラダ、茶碗蒸し、玉子焼き、巻物、汁物、さらにデザートが付くという大盤振る舞い。

夜のおまかせは¥16,200からなので昼のお得感はなおさら高い。店主の黒須法明さんは「昼は食べてもらうための鮨、夜はいい時間を過ごしてもらうための鮨、その意味合いはまったく違いますね」とその料金の理由を話す。鮨のある日常も、鮨による非日常も提供してくれる良店である。



8種の魚が入ったバラちらし



店主の黒須法明さん。この世界に入り20年以上で9年前に同店をオープンさせた。〈ランチ¥3,500〜〉




昼の¥4,000のおまかせには、ウニや中トロなどの豪勢な素材や、秋に旬を迎えるサンマやイクラ、鰹も含まれる。秋田の農家から直送されるコシヒカリを昼は羽釜、夜は土鍋で炊く
仕事への英気も養える、鮨のパワーランチ
『鮨 石島』

夜は¥20,000からだけれど、昼は10貫¥1,500〜、10貫分の内容のあるバラちらしも¥1,500で提供するのだからキップの良さが凄まじい。

その価格設定を店主・石島吉起さんはこう話す。「いまの会社員の方は誰かに鮨に連れていってもらう機会って少ないはず。そんな人たちにも鮨を知ってもらいたいんです」。

なかには昼に食べて、その後彼女が誕生日の夜に再訪したお客もいるとか。昼は回転も早いが列も絶えず、それは味と価格をみればやむを得ないと実感するはず。



バラちらし¥1,500



店主の石島吉起さんは32歳で独立してこの店を開けた。〈ランチ¥1,500〜〉




早づけしたマグロはとろりとした舌触り
思わず金額のことを忘れる、一流の江戸前鮨
『鮨 わたなべ』

魚のクオリティ、抜かりのない江戸前の仕事、このふたつが最上級のレベルでいてコースが¥13,000なのだから驚きだ。

「生は意地でも使いたくない。その魚の味が最も活きる仕事をするのみです」と店主の渡部佳文さんは言う。

マグロやコハダを口に含めば、それがどういうことなのか実感する。絶妙な舌触りにそこから広がる旨み、シャリのバランス、見た目の美しさ、すべての完成度が高い。

「私自身の懐でも行ける金額設定です」と話すけれど、金額以上とはこのことだ。



北海道の縞海老を酒盗と明太子で和えたもの



渡部佳文さんは『柳橋美家古鮨』四代目大親方の最後の弟子。鮨の世界に入り10年目に親方と出会い、江戸前の仕事に衝撃を受け、以来その技を学んだ。〈コース¥13,000〜〉




新鮮なネタがショーケースにズラリと並び、指差しで気軽にオーダーするのもOK。プリプリした食感の赤貝は閖上から
道行く人を歓迎する、銀座で35年の老舗鮨屋
『鮨處おざわ』

銀座に3店舗をかまえる『鮨處おざわ』は、37年間近隣のビジネスマンや夜の蝶たちに慕われ続ける気取りのない鮨屋。席が空いていれば予約はいらない。

「ガラガラと戸を開けて、気軽に入ってきてもらいたいですね。鮨って本来そういうものだと思います」と話すのは30歳でこの店を立ち上げた大将の小澤諭さん。

おまかせと言っても決まった流れはなく、お客を尊重する柔軟なスタイルだ。通ううちに鮨や魚の旬を知れる、粋な大人への近道といえる店かもしれない。



旬の魚を使用したつまみも絶品。※この日は鰹



店主の小澤諭さん。鮨職人の教科書『すしの技 すしの仕事』の著者でもある。〈おまかせ¥15,000〜〉


銀座で鮨といえば、やっぱり行きたいのはこの名店だ!



仏産トリュフが香るヒラメ。盛り付けのセンスも秀逸
伝統を継承しながらも既存の枠にとらわれない
『鮨 竜介』

塩昆布かと思いきや、香り高いトリュフが散らされたヒラメのつまみ。『鮨 竜介』では、鮨屋ではあまり見かけない食材も登場する。

「お客様が喜んでくれるなら、もっと自由でいいと思います」と語るのは、36歳で独立を果たした山根竜介氏。

トリュフのほか、キャビアやフォアグラといった食材もおまかせのコースのなかで、違和感なく供される。もちろん握りも秀逸。赤酢と米酢の酢飯を種によって使い分けている。



右から、ツメと塩の穴子、トリガイ。芝海老のおぼろを挟んだ小肌。夜は、つまみ9品と13貫



店主の山根竜介氏。お店は地下にひっそりと佇む




「ワインと江戸前鮨のペアリングコース」(1人前¥20,000)
銀座鮨ビギナーにこそ薦めたい。江戸前鮨の基本を学べる
『鮨 からく』

江戸前の「まっとうな寿司」が頂けることで人気の『鮨 からく』。

店主の戸川基成(きみなり)氏が、長年追及してきた江戸前の技を駆使し、ほとんどすべてのネタに熟成のための仕事が施されている。

また、戸川氏は「WSET INTERNATIONAL HIGHER CERTIFICATE」の資格を有し、世界中のワイン知識を学び、その美味しさと楽しみ方を伝えている。

その取り組みのひとつが人気の「ワインと江戸前鮨のペアリングコース」である。ペアリングコースは、ワインやお酒1種毎に握り2貫と料理1品をあわせていくスタイル。

どの組み合わせも感動と新しい美味しさとの出会いが楽しめる。



寿司を握りながら、カウンター越しに色々と話してくれる戸川氏。江戸前について知らなくても、丁寧に解説してもらえるのがうれしい



戸川氏が目の前で握ってくれる座敷個室は4名〜貸し切りが可能。席料もかからないというから驚きだ




ひとつひとつ丁寧な仕事ぶりを感じる握りが美しい
銀座の鮨の頂に君臨する
『銀座 久兵衛』

銀座の寿司店の頂点といえば、間違いなく『銀座 久兵衛』があげられるだろう。創業80年を超える老舗だが、常に満席続きの繁盛店だ。

銀座8丁目の本館と別館を含め、フロアは8つあり、1日に300人が来店するという。

しかし3代目の今田景久氏は「敷居を高く思わずに、まず1度は気軽にご来店頂きたい」と語る。

一度は足を運んでほしい、粋が詰まった銀座の一流寿司店だ。



寿司屋の看板である中トロ

「銀座で鮨デート」をするのに、『久兵衛』でゆったり過ごせたら、もうあなたは大人の階段を登っているはずだ。