スマイルが魅力の古川雄輝/(C)テレビ朝日

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ただ真面目に生きているだけなのに、見た目や雰囲気から、なぜか疑われやすい人っていますよね。

【写真を見る】初々しい刑事役の新木優子と西岡徳馬の掛け合いも見ものだ/(C)テレビ朝日

筆者もだまっているとコワモテ…いや、モテは余計か。コワイ目つきになってしまうせいか、仕事帰りの夜道などにたまたま女性の後ろを歩いていると、こちらの顔を認識するや、やけに早足で逃げられたりする。気のせいかもしれないが…。

ちなみにことしに入ってダイエットのために夜道を散歩することが多いのだが、週に1回は職務質問される。(そこそこノンフィクション)そろそろ巨大な警察組織に抗議すべきか、あるいは某名物社長のもとを訪ねて、こっち側のビジュアルイメージを変えてしまおうか?

各局で放送されているドラマやバラエティー、アニメなどを事前に完成DVDを見て、独断と偏見とジョークに満ちたレビューで番組の魅力を紹介する、WEBサイト・ザテレビジョン流「試写室」。

今回は、筆者と同じように疑われやすいというか、不幸なというか、何かを引き寄せてしまう主人公を玉森裕太が演じる、10月20日(金)スタートのドラマ「重要参考人探偵」(毎週金曜夜11:15-0:15ほか、テレビ朝日系)を取り上げる。

同ドラマは、絹田村子の原作を玉森主演で初映像化。いつも死体の第一発見者となってしまう不幸体質の持ち主・弥木圭(玉森)が、モデル仲間で推理オタクの周防斎(小山慶一郎)、同じくモデル仲間で女好きで聞き上手のシモン藤馬(古川雄輝)、さらに元恋人で刑事の早乙女果林(新木優子)と共に事件の真相を追う、コメディー&本格ミステリーだ。

第1話では、モデルを職業とする圭が、オフィス街の一角で斎、シモンと共に「ミウラ時計」から発売される腕時計のパンフレットの撮影に臨んでいると、商品企画部部長の小高邦江(遼河はるひ)が遅れてやってくる。

同僚の宇田川周平(マギー)に厳しい物言いをする小高だったが、圭らを一目見て気に入ると、週末に行われる新作腕時計のレセプションパーティーに強引に招待する。

パーティーにやってきた圭は、スピーチのために壇上に上がる小高のエスコート役に。小高が喋り始めたのを見て、そっと彼女から離れたそのとき、 突然頭上からシャンデリアが落下し、それが小高を直撃。シャンデリアの下敷きになった小高は死亡する。

さらに、混乱の中、会場に展示されていた3億円の価値があると言われる懐中時計も行方不明になってしまう。

警視庁捜査一課が現場にやってくるが、刑事の中に、元カノの果林を見つけた圭は驚く。さらに、同じく捜査一課の登一学(豊原功補)らは、死体のすぐそばにいた圭を犯人だと推測。そんな状況の悪化を察知し、圭は現場から逃走すると、ついには指名手配されてしまう。

「犯人は…俺じゃない!」という圭の心の叫びがこだまする中、探偵に憧れる“推理マニア”の斎と女の子大好きで聞き込み上手のシモンは独自に調査を開始し…というストーリーだ。

■ 独断と偏見のレビュー

特殊な職業が故か、日本では、なぜか「探偵」と名の付くドラマの主人公は曲者ぞろい。最近でも、推理のような雑事は使用人に任せる貴族だったり、バーボンとジャズをこよなく愛する私立探偵だったり、人情にもろい探偵だったり、いつもBARにいたり…。

今回の探偵は、ある意味探偵と遠いはずのモデルであり、“重要参考人”だ。しかも仲間はモデル2人、それもイケメン。

その設定だけを見たら、正直嫉妬を禁じ得ないし、どんなドラマになるのやらと、ディスクをデッキに入れずに食べちゃおうかと思うくらい悩んだものの、いざ見てみると、「あ、なるほど」と。ストンと落ちた。

自分が不審者に間違われて憤っているのなんて、小さいことだと思うくらい、大変な目に遭い続けている主人公・圭。ちょっと名前が知人の某エセグルメ編集者っぽくてアレではあるが、目の前でちょっと前まで話をしていた人がシャンデリアの下敷きになって死んでしまうなんて、もうトラウマでしかないでしょ。同情しかない。

さておき、なぜか圭がいつも死人の第一発見者になってしまう、という説明のVTRが実にコミカル。おかしな日本語だと承知で言うが、そのVTRの死人に遊びがあって、つかみはOKな気がした。

それにしても、玉森は「何で俺ばっかこんな目に…」という役どころが実によく合う。男性から見てもどこか放っておけないタイプの顔立ちをしているというか、いじられキャラとはまた違う、愛されキャラか。あの困り顔で見られると、つい「よしよし、私が助けてあげるからね」と言いたくなるような。

そして小山と古川の役どころもバランスがいい。小山演じる斎が推理オタクで実はおぼっちゃん、古川演じるシモンがいつでも女子に囲まれ、聞き込み上手。そんな3人がそろっているからこその“重要参考人探偵”であり、絶妙に役割分担されている3人が集まるから、一見そこらのあんちゃんとしか思えない彼らが推理力をフルに発揮できるのだろう。

いわば三本の矢。第1話でもそこがすぐ見て取れたが、今後このチームワークがどうなっていくのか、楽しみだ。

その他、重要参考人になった圭を追う刑事たちが、豊原を筆頭に怖過ぎ。その怖さもあからさまな怖さではなく、対峙(たいじ)しただけで、思わず「こやつ、できおるわい」と言いたくなるような。実にリアリティーある刑事だ。職務質問の回数では業界屈指の筆者が言うんだから間違いない。あれは刑事ではないけど。

マギーの仕事人っぷりも見事。仕事人といっても、夜な夜な民衆のうらみを晴らすべく、悪代官の屋敷に忍び込んで心臓をひと突きにするあれではなく、主人公方が出会う仕事相手の役だ。こんな言い方をしては失礼だが、日本のサラリーマンの平均的なルックスは? と聞かれたら、思い浮かべる風貌というか。

エリート街道とは無縁ではあるものの、常にいい仕事をすることに時間を惜しまないタイプの役をやらせたら、ピッタリ! 今回も実にそれがよく出ている。

さらに牛込社長! いつも味のある演技を見せる大河内浩が演じるとな。個人的に大好きだからというわけではないが、絶妙な“小物感”が出ていて、やっぱり彼も連続ドラマでは欠かせない名バイプレーヤーだなとあらためて痛感。

それと対比する、というわけではないが、“味のある棒”の脇役・鈴木拓。どの役かは言わない方が初見でのインパクトもあろうから、伏せるが、うん。ここはいつもの拓さんでしたね。だが、それがいい。

また、滝藤賢一も人生初のオネエ役、とは思えないほど絶妙にハマっていた。絶対昔から温めていたでしょ!と思うくらい、完璧なまでのオネエ社長っぷり。衣装も含め、これも一見の価値あり。

フレッシュな刑事役がさまになっている新木ももちろん魅力的だし、西岡徳馬のすっばらしい“静”の演技、そしてもはや本物の警察官僚なんじゃないかと言いたくなるくらいに自然な、松平健の警視総監役と。金曜の11時台という時間帯とはいえ、いろいろな層のファンが楽しめる作品になっている。

とまあ、このコラムは視聴する上で重要ではないかもしれないし、作品を知る上で参考になるとも言えないが、とにかく言わせてほしい。

シモン、うらやましいぞ。