ポーランドの外務次官が、自国に滞在している北朝鮮労働者400人を全員国外に追放する方針を示した。

ポーランドのマレコ・マギエロフスキ外務次官(アジア米州担当)は、韓国の朝鮮日報とのインタビューで、北朝鮮労働者に対しては2年前から新規の就労ビザの発行を停止しており、残っている労働者のビザも更新しない方針で、今いる400人が最後だと述べた。

正恩氏の「叔父」に言及

これは国際的な人権NGO、国境なき人権(HRWF)が今年5月にポーランド外務省から得た回答とほぼ同様の内容だ。今回、マギエロフスキ氏が上記の方針を改めて強調したのは、国連安全保障理事会制裁決議2371号で禁じられた北朝鮮労働者の受け入れについて、ポーランド政府が毅然とした態度を取らないことに対する国際社会の厳しい批判を受けてのものと思われる。

ポーランドは、最も多い時で800人の北朝鮮労働者を受け入れていたが、長時間労働や北朝鮮当局による給料の搾取などを巡り、人権侵害であるとの批判が高まっていた。しかし、HRWFはポーランド政府の統計を引用し、ポーランド政府はビザ発行停止を決めた2016年以降にも、180人に就労許可証を発行していたと批判している。

さらに、デンマーク政府がポーランドの造船所に発注した軍艦の建造に多数の北朝鮮労働者が関わっていたことが明らかになり、ポーランドに対する批判が改めて高まっていた。

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一方、マギエロフスキ次官は、北朝鮮大使館が建物の一部を民間業者に貸し出して外貨稼ぎを行っていることについて、「明確な違法行為だが、治外法権であるという複雑な事情がある」としつつも、国際社会の対北朝鮮制裁に歩調を合わせるために、賃借人を追い出す措置を始めたと述べた。

ポーランド駐在の北朝鮮大使館は、ネットテレビ局、イベントスペース、音楽学校、製薬会社に大使館の建物の3割を貸し出していた。これを巡りポーランド政府は、北朝鮮大使館に対して貸し出しをやめるよう警告していた。ちなみに、ネットテレビ局のウェブサイトには依然として、北朝鮮大使館と同じ住所が掲載されている。

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マギエロフスキ次官は、3年前までポーランド駐在の北朝鮮大使を務めていた金正恩党委員長の叔父の金平日(キム・ピョンイル)氏についても言及した。

金平日氏に「個人的に会ったことはない」としつつも、在任中にほとんど姿を見せない人物として知られていたと述べた。

金平日氏は、隣国チェコに北朝鮮大使として赴任したが、それ以降もほとんど外部に姿を見せず、目立たないように努め、家と大使館を往復すること以外は何もしていないようだと現地メディアが報じている。

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