伝説のロックミュージシャン「Koi.J」をご存じだろう。えっ、知らない?「恋」の歌を歌い始めると、熱狂的なファンが集まってくる、と大評判なのだが......。


現代美術二等兵「KoiのRock'n'Roller」(画像提供:六甲山観光株式会社)

「Koi.J」は、頭が鯉、体が人間という怪異な姿。しかもギターを抱え、マイクスタンドを持っている。時間になると、「恋」をテーマにした次々と曲が流れ、台座からエサが出る仕掛けとなっている。エサを求めて、鯉が群がり、ダイブする。その様子はあたかもロックスターに熱狂するファンのようにも見える。

場所は、神戸市灘区六甲山町にある六甲山カンツリーハウス、「六甲ミーツ・アート芸術散歩2017」の会場だ。9月9日から11月23日まで開催されている、このイベントは六甲の自然環境や景観を生かした、現代アートの展覧会。「Koi.J」は、籠谷シェーン氏、ふじわらかつひと氏の、2人の芸術家によるアートユニット「現代美術二等兵」の出品作だ。

Jタウンネット編集部は10月18日、その一人、ふじわらかつひと氏に電話で話を聞いた。

「楽しんでもらっているようで、良かった」

ふじわら氏は、現代美術二等兵のコンセプトについて、こう話してくれた。

私たちが目指しているのは「駄美術」です。お菓子の世界に駄菓子があるように、「駄美術」があってもいいんじゃないか。クスッと笑える、おもしろい、楽しい作品を創りたいと考えています

今回の展覧会に参加することになり、2017年4月、六甲山の会場に下見に行ったという。そこで鯉がたくさん泳ぐ池を見て、「鯉でいこう!」とひらめいたのだという。

籠谷氏がラフスケッチを描き、ふじわら氏がミニサイズの模型を作り、アイデアのキャッチボールを繰り返しながら、具体化していったそうだ。ちなみに籠谷氏は大阪在住、ふじわら氏は東京在住。電話やメールで相談しながら進めた。

「一見ブロンズ製のように見えますが、実は樹脂でできています。ブロンズに見えるように着色しました。もっとも苦労したのは、音楽が流れてエサが出る仕組みです。もちろん専門家に手伝ってもらいましたが......」

9月9日に設置すると、ツイッターにはさまざまな声が寄せられている。

「バカバカしくてサイコー」「めっっちゃ笑える」といった感想だ。

作者のふじわら氏も、「楽しんでもらっているようで、良かった」と嬉しそうに話してくれた。

なおツイッターには、「Koi.J」の公式アカウントもあり、「Koi.J」自身がツイートしているという設定となっている。例えば......

「伝説のロッカーがライブツアー中という設定で、現在たまたま六甲山にいますが、今後も池のあるところなら、全国どこでもツアーに出かけたいですね」と、作者・ふじわら氏は語る。

「広島はいかがですか?」とJタウンネットが突っ込むと、「いいですね」と乗ってくれた。「池はありますかね?」「歌も変えた方がいいかも......」。「駄美術」の精神はますます盛んなようだ。