ヤンキースの田中将大【写真:Getty Images】

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5回のピンチで連続三振、アストロズの攻撃の芽を摘み、マウンド上で何度も雄叫び

 米大リーグのア・リーグ優勝決定シリーズは18日(日本時間19日)、ヤンキースの田中将大投手がアストロズとの第5戦に先発。7回3安打8奪三振無失点でポストシーズン2勝目。5回の1死一、二塁の場面では、連続三振を奪ってピンチをしのぎ、マウンド上で雄叫びを上げた。チームをワールドシリーズ王手に導く熱投に、米紙「ニューヨーク・デイリーニュース」は「ついに待ち望んでいたピッチングを披露している」と脚光を当てている。

 2-0で迎えた5回、先頭打者のカルロス・ベルトランから三振を奪った後、安打と四球で一、二塁のピンチを招いた。しかし、ここで田中のスイッチが入る。ジョージ・スプリンガーを外角の速球で見逃し三振に打ち取ると、続くジョシュ・レディックも切れ味鋭いスプリットで空振り三振。アストロズの攻撃の芽を摘み、マウンド上で何度も吼えた。

 6回、7回は三者凡退に打ち取り、強打のアストロズ相手に7回3安打8奪三振無失点。ポストシーズン2勝目をマークし、8年ぶりのワールドシリーズ進出へと王手をかけるエースの仕事を果たした右腕を米メディアも絶賛した。

 地元ニューヨークの「ニューヨーク・デイリーニュース」紙は、「マサヒロ・タナカはついにヤンキースがずっと待ち望んでいたピッチングを披露している」と特集。今季レギュラーシーズンは13勝12敗、防御率4.74と好不調の波が激しかったが、ポストシーズンに入って3試合で2勝1敗、防御率0.90と圧巻の投球に賛辞を送った。

闘志を前面に押し出した気迫の投球…ジラルディ監督も絶賛「彼はスペシャルだった」

 記事では、ジョー・ジラルディ監督が「彼は再びスペシャルだった。彼はもはや打ち返せない存在となっている」と絶賛したことを紹介。試合で闘志を前面に押し出した田中について「ああいう状態の彼は何度か見たことがあるが、(レギュラーシーズン時に)ダルビッシュを相手にした時もそうだったように思う。ただ、ポストシーズンとシーズンのラストに関して、私が今まで彼を見てきた中で最も高揚しているように映る」と話したという。

 また、同紙でレポーター兼コラムニストを務めるマイク・マッツェオ氏は、自身の記事を引用する形で「マサヒロ・タナカは先発陣の有力なエースとして再出現した」とツイッターで称えている。ヤンキースも公式ツイッターで雄叫びを上げる動画とともに「タナカ・タイム!!」と速報し、ヤ軍ファンも「素晴らしい投球だマサヒロ…アンビリーバブル!」「ニューヨークのエース。そして、MLBのエースだ!」と大興奮を呼んでいた。

 圧巻の投球で勝利への執念を示した背番号19。ポストシーズンで再び最高級の輝きを放つ右腕によって、ヤンキースはワールドシリーズ進出にあと1勝に迫った。