この日の浦和は興梠(写真)や遠藤、長澤など異彩を放った日本人選手が枚挙に暇がない。Jクラブも1990年代までは外国籍選手への依存傾向が強かった。(C)SOCCER DIGEST

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 水曜日のアジアチャンピオンズ・リーグ(ACL)準決勝、浦和レッズvs上海上港戦の第2レグは、1-0でホームチームに軍配が上がった。2戦合計2-1で決勝進出。Jリーグ勢にとって9年ぶりのアジア制覇まで、あと一歩だ。
 
 近年の躍進が目覚ましい中国スーパークラブだが、ACL出場チームは昨季がベスト8で、今季がベスト4で姿を消した。つまり、2年連続でファイナル進出を逃しているのだ。
 
 この準決勝も下馬評では上海上港が有利と目されていたが、蓋を開けてみれば攻守両面で浦和がチーム力の差を見せつけた。上海発の中国全国紙『新浪新聞』は、今回の敗北から学ぶ点が少なくないと指摘。現在の中国サッカー界の在り方に警鐘を鳴らした。
 
「外国籍選手に対する依存度が高すぎる。確かに広州恒大は黄金期を築き上げて、ひとつの成功例となった。いまはほとんどのクラブがそれに倣い、3人の助っ人を中心に戦術を立て、強化の軸にしている。しかし浦和戦で我々が目撃したのは、その外国籍依存の限界だった」
 
 上海上港にはフッキ、オスカール、エウケソンのブラジル人トリオに加え、アジア枠でウズベキスタン代表のボランチ、オディル・アフメドフが幅を利かせている。同紙は「中国人選手の能力は決して低くないが、あくまで外国籍選手たちのフォロー役でしかない」とし、黄金期の広州恒大との相違点を示した。
 
「過去4年で2度のアジア王者に輝いた広州恒大には、脇を固める中国人選手たちもインターナショナルクラスだった。だからこそ助っ人とも上手く連携できたのだし、アジアの頂点に立てるだけの総合力を有していた。もちろん、現在の中国クラブの総合力もアジアでトップクラスだろう。だが、浦和や鹿島などを見ると、チームの軸となっている自国選手がたくさんいることに気づかされる」
 
 同紙の記者が感銘を受けたのは、浦和の選手たちのゲームマネジメント力の高さだった。埼玉スタジアムではこの差が顕著に現われ、上海上港自慢の攻撃を湿らせたのだと見る。
 
「浦和の選手たちは悠々と試合を進めていた。ラファエル・シルバが開始11分で得点を挙げ、精神的優位に立っていたのは間違いないとしても、彼らはピンチを迎えても淡々とプランを遂行していたように感じる。かたや上海上港は国内リーグと同様に、点が取れないとブラジル人たちが焦燥に駆られ、チーム全体がアタフタしてしまう。早い話が、未熟なのだ」
 
 同紙が今回の敗北を受けて、首尾一貫して重要視しているのが「中国人選手のレベルアップ」だ。これを抜きにして、中国サッカー界の繁栄などあり得ないと言い切る。
 
「2年連続で中国クラブがアジア王者になれなかったのは、偶然ではない。この日もフッキは素晴らしい個の存在感を示した。だが、彼をサポートできる選手が少ないため、やや空回りしていたように思う。助っ人の力を上手く活かしながら、同時にしっかり自国選手を育成しなければ、このまま暗い道に迷い込むだろう」
 
 中国勢はACLのノックアウトラウンドで日本勢に敗れたのは、今回が初めてだった。

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