高級バケーションレンタルの米Vacasa、110億円を調達 事業拡大へ

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バケーションレンタル仲介会社の米ヴァカーサ(Vacasa)は先ごろ、シリーズBラウンドで複数の投資会社から1億350万ドル(約116億円)を調達したことを明らかにした。

具体的な金額は明らかにされていないものの、ヴァカーサの評価額は今回の資金調達により、2倍近くに引き上げられる見込み。同社は2016年、シリーズAで約4000万ドルを調達している。

オレゴン州ポートランドを拠点に2009年に設立されたヴァカーサは、民泊仲介最大手のエアビーアンドビー(Airbnb)や ホームアウェイ(HomeAway)とは異なり、フルサービスの高級物件を専門に扱う。ヴァカーサによれば、事業におけるこうしたアプローチが、大手2社と自社を差別化する大きな要因だという。

米ITメディア、ギークワイヤのインタビューに応じたヴァカーサのエリック・ブリオン最高経営責任者(CEO)は、自社をアマゾンに例えるなら、P2P(ピアツーピア)のサービスを基本とする同業のエアビーやホームアウェイは、オークションサイトのイーベイのようなものだと説明している。エアビーは競争相手ではなく、テクノロジーの面におけるパートナーと捉えているという。

ただ、エアビーは今年2月、富裕層向けのフルサービスのバケーションレンタルを展開してきたカナダのラグジュアリー・リトリーツ(Luxury Retreats)を3億ドルで買収している。旅行業界の専門家らは、高級物件のレンタル市場は今後、観光業においても特に成長が見込める分野だと見ている。

ホストとゲスト双方に価値を提供

ヴァカーサを通じて物件を宿泊施設として提供するホストは、ハウスキーピングやマーケティング、予約管理において同社の支援を受けることができる。例えば、同社のプラットフォーム上では需要に応じて宿泊料金が調整されることから、ホスト側は時期によって、より高い利益を得ることが可能だ。

今回のラウンドで新たに同社に出資した投資会社のリバーウッド・キャピタルによれば、「ヴァカーサは物件を貸したいホストと宿泊施設を探すゲストの双方に、より大きな価値をもたらすソリューションを提供している」。

ヴァカーサは現在、米国内のほか欧州、中南米、南アフリカでレンタル用の物件を管理している。調達した資金は新規市場への進出と、中核となる技術プラットフォームの拡充に充てる考え。また、世界各地にいる約1600人の従業員に加え、アイダホ、オレゴンの両州とチリのサンティアゴでフルタイムの従業員100人以上を採用。その他の各国でも、新たに現地スタッフを雇用する計画だという。