井上芳雄 by MYSELFスペシャルライブより

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ミュージカル界のプリンス・井上芳雄が10月12日、パーソナリティーを務めるTBSラジオ「井上芳雄 by MYSELF」発のスペシャルライブを、東京国際フォーラムホールAで開催した。

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番組開始から半年で早くも実現し、5,000席のチケットが即日完売したこのスペシャルライブ。舞台には番組を模したラジオブースが設けられ、井上はブースとステージを行ったり来たりしつつ、レギュラー出演するピアニストの大貫祐一郎や、ゲストの坂元健児、田代万里生とのトークを挟みながら2部構成のライブを展開した。

第1部開演。ラジオブースに登場したのは、井上、大貫に加え、番組の秋山瞬ディレクター。井上が語り、大貫はピアノを奏で、秋山Dは盛んにカメラのシャッターを押す、いつもの放送の雰囲気が再現された。

1曲目は「井上芳雄 by MYSELF」のジングルを一つの楽曲に仕立てた「Jumpin’up“BY MYSELF”」。このライブに臨む井上の思いをつづった歌詞に「作曲はこれが初めて」という大貫が曲を付けたナンバーでスタートした。

第1部は番組やコンサートでも披露してきた日本のポップスナンバーが中心の構成で、「なんでもないや」(RADWIMPS)、「明日はきっといい日になる」(高橋優)などを披露。ジャズ・ポップス色を強めてアレンジされた曲を軽快に聴かせた。

そして1人目のゲスト・坂元健児が登場。井上のラジオ番組を聞いたことがなかった坂元との絡みは、まるでコントのような内容に。だが、「ハクナ・マタタ」を歌い出せば、迫力ある声で観客を魅了した。

「心の瞳」(坂本九)から真摯な気持ちを素直に言葉にした井上の一人語りを挟んで歌われた、「歌手としてのテーマソングだと思ってる」という「歌うたいのバラッド」(斉藤和義)は、観衆を包み込むように響き、温かさにあふれていた。終演直後にその印象を伝えると、井上は「いつもふざけたり、毒づいたりするけど、コンサートはふだん思っていること、心の中にあることをお客さんに共有する場であると思っているんです」と、その流れに込めた思いを告白した。

第2部は井上がかつて出演してきたミュージカル「二都物語」「モーツァルト」「エリザベート」などからのナンバーで構成。華やかに、力強く人気の楽曲を連ねた。

中盤には2人目のゲストとして“後輩”田代万里生が登場。トークでは、こまつ座舞台「きらめく星座」稽古中の田代が、「稽古場が尋常じゃなく静か」と切り出したことから、同様の経験がある井上がこれに乗っかる形で、ミュージカル&ミュージカル俳優と歴史ある劇団&役者との相違点を若干の毒舌ありで語り合うことに。

そして、2人で披露する楽曲に田代がセレクトしたのは、本来なら男女で歌う「レ・ミゼラブル」からのナンバー「In My Life〜A Heart Full of Love」。発表するや会場が沸くナイスなチョイス。歌い出しから会場に笑いが起こり、観客の反応に乗じて井上はマリウスになりきって田代の坊主頭を愛でながら歌い上げた。

再び坂元も交えての「ブイ・ドイ」は豪華競演の神髄をまざまざと見せつける時間に。「You Can’t Stop the Beat」では、井上が客席アリーナへと飛び出し駆け回る。にぎやかに盛り上がったステージは、ラスト「TOMORROW」で締めくくった。

アンコールは、10月4日にリリースした井上芳雄初のシングル「風のオリヴァストロ」と、出演者全員での「明日への階段」。オープニングで「ラジオは30分、ライブは2時間半、でもちょっと押しちゃうかも」と歌ったスペシャルな夜は、井上の気持ちの高揚や喜びが反映したためか、結局3時間半の長丁場に。「こんな素敵なスペシャルライブは1回じゃもったいない! もう一回頭からやります?(笑)」なんていう発言も飛び出し、そんなサービス満点のライブを、ファンはスタンディングオベーションで讃えて終演となった。

その3日後に放送されたラジオ「井上芳雄 by MYSELF」は、もちろんスペシャルライブの話題で持ち切り。井上「いやー楽しかったですねー」、大貫「夢のような感じですよ」、井上「しばらく夜眠れなくて、興奮して。ぽっぽしちゃって、めちゃくちゃ疲れているのに4時ぐらいに目が覚めたりして」と高揚感が収まらない中での生放送となった。

秋山ディレクターは、「初舞台を踏んで。すごいたくさん写真撮ってましたよね。歌ってる途中も舞台袖でフラッシュたいて撮影するという暴挙に出まして」と井上にあらためて責められるハメに。

「田代万里生くんは、TBSラジオ日曜夜9時からの『ラジオシアター〜文学の扉』のラジオドラマに出てるみたいです(10月15日は前編で来週は後編で出演)。この番組の直前に放送している『嶌信彦 人生百景 志の人たち』の番組アシスタントで出演している安田佑子さんは、『風のオリヴァストロ』の作詞家だったんですよ。ずっと僕達、声を聴いてた」「いろんなところでライブがつながっているんだなという気はします」などなど、興奮冷めやらぬ様子の発言でいっぱいだった。

この日のライブ1曲目は、スペシャルライブオープニングを飾った「Jumpin’up“BY MYSELF”」。「ライブで歌うだけではもったいない。歌の内容は完全にその日限定ですけど」と言いつつ、楽しそうに歌い上げた。終わってのトークで大貫は、「これ、くせになりますよ。自分の作ったメロディを芳雄さんが歌ってくれるというのは」と、初の作曲が素晴らしい形で実現したことへの喜びを言葉にした。

レギュラーコーナーの「About Musical」も、この夜は「About スペシャルライブ」。番組に届いた、ライブに足を運んだリスナーからの感想を続々と読み上げた。その1通では「芳雄さんのホール全体を包み込む歌声と、Sっぽく進むトークに・・・」というメール内容を紹介し、「そう、あの時僕Sっぽかった。この場(ラジオ)よりちょっとツッコミの角度が鋭角? それは、生のメリハリをつけようと思ってそうなったと思うんですけど。酔いしれた3時間20分でした」とまとめた。さらに、「2時間半のライブ予定が結果、3時間20分になったんです。やっぱりサカケンさんのせいでしょう(笑)。ライブ・ビューイングの会場もヒヤヒヤだって話だったんですけど」と楽しそうに語った。

2曲目のライブは、ラジオのスタジオで生で歌うのは初めての「風のオリヴァストロ」。「CDが発売になって、歌えば歌うほど重みが。使命っていうか、ちゃんと届けていこうと(いう思いが強まっています)。作曲家の宮川彬良さんもライブにきてくださって凄い喜んでくださいました」と入魂の初シングルに対する思いがさらに増していることを感じさせた。

エンディングはコンサートでも口にしたこの言葉。「明日から始まるあなたの一週間が素敵なものでありますように。そして、またライブもやりたい!バイバ〜イ」。少しアレンジして叫び、テンション高めの放送は終了した。