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text & photo:Yasuhiro Ohto(大音安弘)

もくじ

はじめに
ー 新型LS 歴史を重んじ世界に発展
外観
ー ラインはクーペ風 「匠」がモデリング
内装
ー 日本らしい内装 ゴルフバックは4つ
シャシー
ー 「GA-Lプラットフォーム」採用 VDIM/VGRSも
パワートレイン
ー 3.5ℓV6に統一 ハイブリッドは359psに
装備
ー LS最大の注目の装備 安全性重視
代表モデルスペック
ー レクサスLS500hとLS500を比較

はじめに

新型LS 歴史を重んじ世界に発展

2017年1月の米国デトロイトモーターショーで、華々しくデビューを果たしたレクサスのフラッグシップサルーン、新型LS。ついに世界に先駆け、10月19日より日本で発売が開始される。

先代同様にガソリン車とハイブリッド車が設定され、価格は980万円〜1680万円となる。

セルシオ世代を含め、世界的には5代目となる新型だが、日本では、2005年より展開が始まったレクサスブランドの看板商品として、2006年にLSとしてデビュー。以来、初の世代交代となるだけに大きな注目を集めている。

新型では、歴代LSが培ってきた伝統を受け継ぎながらも、所有する歓びから経験する歓びへと変化を遂げたラグジュアリーの志向に対応すべく、スタイルを始め、全面的に大きな変革を行い、新たなLS像を作り上げている。

レクサスの頂点だけあって、刷新されたプラットフォームやエンジン、そして、世界トップクラスまで高められた先進の安全運転支援機能などメカニズムにも見るべき点は多い。

日本を始め、世界のエグゼクティブたちに愛用されてきた日本を代表するラグジュアリーセダンの進化を見ていきたい。

 
▶ 外観 ▶ 内装 ▶ シャシー ▶ パワートレイン ▶ 装備 ▶ スペック

 
▶ はじめに ▶ 内装 ▶ シャシー ▶ パワートレイン ▶ 装備 ▶ スペック

外観

ラインはクーペ風 「匠」がモデリング

外観は、これまでのオーソドックスを旨としたLS像を打ち破る4ドアクーペのような流麗なスタイルに仕上げられ、レクサスのデザイン改革が大きく進んだことを感じさせる。

パッケージングも低重心化が図られており、全高は15mmダウン。前後フードの高さも大幅に抑えられた。

ボディタイプは1タイプに絞られたが、全長5235mm×全幅1900mm×全高1450mmと、先代のロングボディを優に超えるサイズで、実質ロングボディ仕様に一本化。3125mmのロングホイールベースが、伸びやかなスタイリングと広々としたキャビンの両立させている。

レクサスの象徴であるスピンドルグリルも、進化を図ったメッシュパターンを採用。これは均一なデザインではなく、線と面の全て一つずつを匠と呼ばれる熟練者が丁寧なCADによるモデリングを行い、躍動感あるグリルを作り上げたという。

ヘッドライトデザインも特徴的で、切れ長の3眼LEDヘッドライトに、クリアランスランプとシーケンシャルターンシグナルランプの機能を併せ持つL字型のLEDランプを組みわせたZ字型のものとし、グリルと相まって迫力あるフロントマスクを構成している。リアランプは、LCにも採用されるL字モチーフのコンビネーションライトを取り入れたデザインとなっている。

外観上のガソリン車のLS500とハイブリッド車のLS500hに違いは僅かで、フロントバンパーのサイドグリルとリアバンパーのロアメッキ加飾の意匠が異なるのとエンブレム程度だ。また専用エアロとハニカムグリルなどでスポーティにドレスアップされたFスポーツも用意されている。

 
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内装

日本らしい内装 ゴルフバックは4つ

広がり感のある水平基調デザインされたダッシュボードには、コンパクトで見やすいTFT液晶メーターと12.3インチのワイドディスプレイを備える。さらに大型のカラーヘッドアップディスプレイを搭載するなど、ドライバーの姿勢変化や視線移動の少ない表示および操作系レイアウトとし、運転に集中できるコクピットとした。

もちろん、フロントシートは肉厚でクッション性が良く、ランバーサポート機能を備えるなどサポート性も高い。ロングドライブ用途にもしっかり対応した作り込みが行われている。

また後席は包み込まれるような安心感のある空間に仕上げられ、クラストップレベルのレッグスペースやたっぷりとしたサイズのシート、充実した快適装備により、フラッグシップカーに相応しいくつろぎの空間を実現している。

またトリム加飾には、日本の匠の技が取り入れられ、天然杢にデザインを加えたアートウッドや切子調カットガラスなど日本の美意識を取り入れた洒落たアクセントが加えられている。

もちろん広々としたキャビンに加え、サルーンに求められるラゲッジルームをしっかり確保しており、9.5インチのゴルフバック4個が収納可能。仕様により異なるが、400ℓ〜480ℓの容量を備えている。

 
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シャシー

「GA-Lプラットフォーム」採用 VDIM/VGRSも

プラットフォームは、フラッグシップクーペのLCで初採用された最新の「GA-Lプラットフォーム」を採用。ハイテン鋼と鉄で構成した強固な基本構造としながらも、エンジン及びトランクフードやフェンダー、ドアパネルなどにアルミニウムを積極的に取り入れることで、軽量化と低重心化を図っている。

足回りは、前後マルチリンクで電子制御エアサスペンションが全車に標準化することで、高次元の操縦安定性と乗り心地を実現。乗降時に車高を30mm高める新機能も盛り込まれた。

タイヤは245/50RF19のランフラットタイヤを標準化。併せてノイズリダクション機能付きの19インチアルミホイールが装着されている。

また2WD車には、車両を統合制御するVDIM(アクティブステアリング統合制御付き)に、ギア比可変ステアリング(VGRS)、後輪の切れ角を制御するDRSを加えたレクサス・ダイナミック・ハンドリングシステム(LDH)を搭載。高速走行時の高い車両安定性、ワインディングなどで求められる軽快なステアリングレスポンスを実現しているという。

走りを追求したFスポーツでは、前後異形サイズとなり、245/45RF20と275/40RF20のランフラットタイヤに専用の20インチホイールを組み合わせる。

またブレーキも前20インチ、後18インチのベンチレーテッドディスクブレーキとし、パッドも高摩擦タイプを標準装備する。さらに2WD車では、VDIM+LDHのシステムにアクティブスタビライザーを追加することで、上下運動制御を含めた車両6つの動きが最適制御されるようになっている。

 
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パワートレイン

3.5ℓV6に統一 ハイブリッドは359psに

パワートレインも一新され、ガソリン及びハイブリッドは全車3.5ℓのV6に統一された。

ガソリン車であるLS500には、新開発の3.5ℓのV6ツインターボを搭載。最高出力422ps/6000rpm、最大トルク61.2kg-m/1600rpm〜4800rpmを発揮。V8ターボ車並みの加速性能を備えながら、燃費消費率は10.2km/ℓ(2WD車・JC08モード)と実用的な燃費を実現している。トランスミッションには、俊敏な変速を実現する10速ATを組み合わせた。

一方、ハイブリッド車のLS500hには、LC500hに初搭載されたマルチステージハイブリッドシステムを採用。3.5ℓV6エンジン単体でも最高出力299ps/6600rpm、最大トルク36.3kg-m/5100rpmとパワフルだが、これに最高出力180ps、最大トルク30.6kg-mのモーターを組み合わせることで、システム最高出力は359psを発揮する。

もちろん、燃費にも優れ、2トンを優に超える車重ながら、最大16.4km/h(JC08モード)の低燃費を誇る。従来型とは異なる魅力として、走りの良さもウリとしており、10段変速制御によるダイレクト感と伸びやかな加速が味わえ、発進加速も従来の5.0ℓV8ハイブリッドを超える駆動力を実現したという。

さらにハイブリッドシステム作動領域が、70km/hから140km/hまで拡大されており、高速巡行時の燃費と静粛性がより高められている。また駆動バッテリーも、ニッケル電池から小型軽量なリチウム電池に変更された。なお、海外向けには、自然吸気の3.5ℓガソリン車が存在するが、日本には未設定となる。

 
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装備

LS最大の注目の装備 安全性重視

豪華装備を誇る新型LSだが、やはり最大のトピックは、大幅に進化した予防安全技術「Lexus Safety System +A」の初搭載だ。これは最新レクサス車に搭載が進む「Lexus Safety System +」の機能を高めた上、レーダーを追加することで360度の全方位をカバーするシステムに進化、機能の充実化を図ったものだ。

ベースグレードに標準となる「Lexus Safety System +」は、歩行者検知機能付きプリクラッシュセーフティ、レーダークルーズコントロール、レーンディパーチャーアラート(車線逸脱警告 LDA)、レーンキーピングアシスト(車線逸脱抑制機能 LKA)、オートマティックハイビームを搭載したもの。

その他のグレードには、「世界一安全なクルマを目指す」としたLSの意気込みを感じる最新鋭の機能を誇る「Lexus Safety System +A」の特徴的な機能を下記に並べた。

プリクラッシュセーフティ(世界初のアクティブ操舵回避支援)

警告、ブレーキアシスト、自動ブレーキで衝突回避支援及び被害軽減を図るのは、従来と同様だが、世界初の新機能をふたつ追加。

ひとつは「歩行者注意喚起機能」で、前方の歩行者と衝突の可能性を判断すると、ヘッドアップディスプレイに歩行者の存在を表示し、ドライバーに注意を促す。

もうひとつの「アクティブ操舵回避支援機能」は、自車線内の歩行者やガードレールのような連続した構造物と衝突する可能性が高いと判断した場合、警告とブレーキ制御に加え、ステアリングを自動操舵することで、衝突被害回避あるいは軽減を支援するものだ。

高度運転支援技術「Lexus CoDrive」

レーダークルーズコントロール(ACC)、レーントレーシングアシスト(車線内走行維持支援)、レーンチェンジアシスト(自動車線変更支援)の3機能を連携させることで、高速道路や自動車専用道路において自動運転レベル2の先進運転支援を実現させたもの新機能の総称が「Lexus CoDrive」だ。

個々について簡単に解説しておくと、ACCは、全車速対応のものを装備。レーントレーシングアシスト(LTA)は、ACC作動時に車線内維持の自動操舵支援するアクティブレーンキープ機能だが、機能の特徴として、白線認識による車線維持に加え、先行車の走行軌跡を利用した追従により、渋滞時など車線が認識できない場合も支援を継続。

さらに、ナビゲーションの情報を基にカーブへの侵入速度が速いと判断すると、ディスプレイ表示で注意喚起すると共に、自動的に減速も行ってくれる。

新機能のレーンチェンジアシスト(LCA)は、ドライバーのウィンカー操作により支援機能が働き、周辺の道路状況を監視し、最適なタイミングで、自動的にステアリング操舵と加減速を行い、車線変更を支援。車線変更を終えると機能はOFFになる仕組みだ。レクサスでは、将来の自動運転に繋がる高度運転支援機能だという。

ドライバー異常時停車支援システム

ドライバーが運転不能となった場合に、自動停車させる機能。レーントレーシングアシスト制御中にドライバーの無操作状態が継続すると、音と表示、緩やかな減速を行うことでドライバーに警告。

さらにハザートとホーンで車外に異常を知らせながら、自車線内に減速停車し、自損・加害事故の回避、事故被害の低減を図る。停車後は、ドアの開錠とヘルプネット(緊急通報サービス)に自動接続し、救命要請も行う。

このほかに、上下2段式アダクティブハイビームシステム、フロントクロストラフィックアラート、ロードサインアシストが備わる充実ぶりだ。

この他、世界初の対後方歩行者対応の被害軽減ブレーキを備えたパーキングサポートブレーキや車両周囲360°の安全確認をサポートするパノラミックビューモニターなどが全車に搭載されている。

 
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代表モデルスペック

レクサスLS500hとLS500を比較

車名LS500h エグゼクティブLS500 Fスポーツ
エンジン V型6気筒3456cc+モーター V型6気筒3444ccツインターボ 

ステアリング 電動パワーステアリング 

全長 5235mm 

全幅 1900mm 

全高 1450mm(4WDは1460mm) 

ホイールベース 3125mm 

トレッド 1635mm 1615mm 

最高出力 299ps/6600rpm 422ps/6000rpm 

最大トルク 36.3kg-m/5100rpm 61.2kg-m/1600〜4800rpm 

燃料タンク容量 82ℓ 

公表燃費 15.6km/ℓ 9.5km/ℓ 

最小回転半径 5.6m 6.0m