訪花するハチ(2016年8月16日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】数百種の花は、受粉を媒介するハナバチをおびき寄せるために、人間の目には見えない青色のハロー(後光)のような光を発する能力を進化させたとの研究結果が18日、発表された。

 英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された論文によると、研究室での実験では、同じような紫外線のリングを発生させる造花にマルハナバチが引き寄せられるのを確認できたという。

 論文の共同執筆者で、スイスのアドルフ・メルクレ研究所(Adolphe Merkle Institute)のウルリッヒ・スタイナー(Ullrich Steiner)氏は、AFPの取材に「このハロー効果は、光学スペクトルの紫外領域で発生する。この領域の光は人間には見えない」が「ハナバチには見える」と語った。

 実験結果は研究チームを驚かせた。

 青色ハローは花弁表面にあるナノスケールの凹凸構造から発せられている。構造に規則性はないと思われ、花によって大きく異なっている。

 論文の主執筆者で、英ケンブリッジ大学(University of Cambridge)植物園の園長を務めるビバリー・グローバー(Beverly Glover)氏は「花弁のナノ構造にみられるこの不規則さは進化によって獲得されたと考えられ、結果的には花とハチとのコミュニケーションの助けになっている」と説明する。

 過去の研究では、ハチは花蜜を出す植物の匂いに引き寄せられるが、手がかりの大部分は色や花弁の形にあったとの考えが示されていた。

 ハナバチは、光スペクトルで青から紫へと連続的に変化する帯域の色に特に敏感に反応する。そして、一部の植物は、このことを「知る」よう何らかの形で遺伝子にプログラムされている。

 しかし、青は花の中では比較的珍しい色であるため、ここには矛盾が生じてしまっているようにも思える。

 論文の共同執筆者で、ケンブリッジ大の生化学者のシルビア・ビニョリーニ(Silvia Vignolini)氏によると「多くの花は、遺伝的および生化学的に、色素の化学物質を操作して青から紫にかけての色を発色させるための能力に欠けている」という。

 そのため、反射された日光が青色ハローを生成するように花弁に分子を並べることが、花粉媒介者を引き寄せるための代替的な進化戦略として登場した。

 注目すべきなのは、他の面では多様に異なる種類の花が結果的に同じ「おとり」を使うようになった点だ。

「『青色ハロー』を生成する花弁の突起構造は、さまざまな花の系統で何度も進化を重ね、最終的にすべてがこの花粉媒介者への光信号に集結していることを、今回の研究結果は示唆している」と、グローバー氏は話した。
【翻訳編集】AFPBB News