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パートナーの浮気相手の勤務先への訪問や電話は、法的な問題になるのかーー。そんな相談が、弁護士ドットコムの法律相談コーナーには多数、寄せられている。相手については勤務先と名前しかわからないから仕方ない、という事情があることもあれば、周囲に知らせることで、パートナーや浮気相手に社会的な制裁を加えたいという動機が隠されていることもある。

夫の浮気に悩む妻は、次のように質問している。「(浮気相手と)お話をしたいので、(浮気相手の)勤め先に連絡をするのは法律的に問題ないでしょうか? また、会社に連絡をする際、気をつけることはありますか?」。

また、別の投稿で、ある男性は、交際中のパートナー(女性)の浮気が発覚。そこで「(パートナーの浮気相手の)会社のコンプライアンス部門や総務、人事など個別の担当者に、あくまで相談という形で、話し合い」をしたいと望んでいるそうだ。

配偶者の浮気相手に連絡をとるために、勤め先に電話をかけたり、職場を訪問したりすることは許されるのだろうか。また、不倫について、勤め先のコンプライアンス部門や人事担当者に話をすることにも法的な問題はないのだろうか。依藤祐介弁護士に聞いた。

●職場に電話や訪問をしてもいい?

法律相談へよく寄せられる「浮気相手の職場を訪問したり、社員に浮気の事実を会社に伝えたりしたい」という質問。これは法的な問題に発展するのだろうか。

「浮気相手の勤め先に連絡を入れることは避けた方が良いでしょう。不倫自体は違法な行為といえますが、会社業務とは関係のない私的な行為です。会社業務に関連しないことで、頻繁に連絡や訪問をすることは、場合によっては業務妨害となり、勤め先から損害賠償を請求されるリスクがあります。

また、浮気の事実を勤め先に告げることで、プライバシー侵害として浮気相手からも損害賠償を請求される可能性があります」

では、相手の個人的な連絡先はわからないものの、「勤め先ならわかる」というケースでも、職場に連絡することは問題になるのか。

「そのような場合には、勤め先に電話をすることはやむを得ないでしょう。もっとも、浮気の事実を勤め先に伝えることはプライバシーの侵害となってしまいますので、浮気相手以外には、要件を話さないようにする必要があります。

本人ではなく、勤め先の個別の担当者に浮気について連絡することは、名誉棄損やプライバシー侵害にあたります。よほどのことがない限り、刑事罰を受けるようなことはありませんが、民事上の損害賠償責任を負うことになる可能性はあります。

浮気はあくまでも、私的な行為なので、当人同士で解決すべき問題であり、勤め先を巻き込むことで、トラブルを拡大させかねません。本人に連絡を取る手段としてはよいでしょうが、本人以外に浮気の事実を伝えることは避けるべきです」

(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
依藤 祐介(よりふじ・ゆうすけ)弁護士
立命館大学文学部を卒業後、平成19年弁護士登録。交通事故、労働事件、家事事件、企業法務等様々な案件に取り組んでいる。
事務所名:弁護士法人依藤・櫻井法律事務所