レーシック手術を受けたら、パイロットにはなれないのか?

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どんな仕事にもスキルは必要だが、なかには資格取得の条件として一定以上の視力を求める職業も存在する。代表的な職業にパイロットや消防官、競艇選手などが挙げられるが、生まれつき目が悪い人の場合、これらの職業を目指すことすら叶わないのだろうか? 詳しく調べてみた。

■パイロットになるのに必要な視力って?

「教えて!goo」には「視力回復について」というタイトルで、「自分は将来戦闘機のパイロットになりたいのですが今の状態の視力ではなれません」という質問が投稿されている。確かにパイロットは、視力が良くないとなれないイメージが強い職業の一つ。では、眼鏡やコンタクト、レーシック手術などで視力を矯正したとしても、パイロットにはなれないのだろうか?

パイロットになるために必要な資格の一つに「航空身体検査証明」がある。一般財団法人航空医学研究センターの「航空身体検査マニュアル」によると、パイロットに必要な視力は遠見視力、中距離視力、近見視力、両眼視機能、視野、眼球運動、色覚の計7項目。こちらをすべてクリアしなくては合格にはならないのだ。

■眼鏡やコンタクトで矯正できればOK

さて、一般の人が考える「視力が良い」は、7つのうち「遠見視力」にあたる。「航空身体検査マニュアル」の「10−1 遠見視力」によると、パイロットになるには、次のイまたはロに該当することが条件だ。

「イ.各眼が裸眼で0.7以上及び両眼で1.0以上の遠見視力を有すること。ロ.各眼について、各レンズの屈折度が(±)8ジオプトリーを超えない範囲の常用眼鏡により0.7以上、かつ、両眼で1.0以上に矯正することができること」(航空身体検査マニュアル)

とあるので、眼鏡やコンタクトで矯正できていれば基準クリアとなるようだ。ただし、ロの場合は「航空業務を行うに当たり、常用眼鏡(航空業務を行うに当たり常用する矯正眼鏡をいう)を使用し、かつ、予備の眼鏡を携帯することを航空身体検査証明に付す条件とする者に限る」(航空身体検査マニュアル)とのこと。「ジオプトリー」はレンズの強さを表す単位で、視力に左右差がありすぎるとNGとなる。

■レーシック手術も、OKとなる場合がある!

遠見視力の「不適合状態」として、「屈折矯正手術の既往歴のあるもの」と記載されている。つまり、レーシック手術などで視力を矯正しても、パイロットにはなれないということだろうか?

ただ、「航空身体検査マニュアル」の「9−1外眼部及び眼球附属器」、「4.評価上の注意」には、「4―3屈折矯正手術の既往歴があり、屈折矯正手術から6カ月以上が経過した時点において、症状が安定し、視機能が基準を満たしている場合は適合とする。この場合において、手術記録を含む臨床経過のほか、以下の検査結果において、眼科専門医の診断により異常が認められないことを確認すること。(1)視力の日内変動(同日3回以上の測定結果)(2)コントラスト感度(3)グレアテスト(4)角膜形状解析」(航空身体検査マニュアル)

と記されている。つまり、レーシック手術を受けたからといって不適合というわけでなく、一定の条件を満たせば適合となるようだ。しかし、半年〜1年ごとに行われる検査をすべてクリアしていかないと、パイロットを続けることはできないのが非常に厳しいところ。また、各航空会社がパイロット採用時に定める基準は異なるのでこちらも注意しよう。

パイロットを志す皆さんは、健康管理のほか、業界研究なども抜かりなく!

(酒井理恵)

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)