東京五輪世代のFW岩崎悠人が語った“現在位置”。2020年と、その先へ向けて

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2020年に向けた動きが加速している。

adidasは10月4日、神戸市に国内初となるフットウェア開発施設「adidas footwear lab」を開業。ここでは、世界の舞台で戦うアスリートのフットウェアカスタマイズやグローバルで展開する定番商品の開発に加え、ディレクターに就任した「adizero(アディゼロ)」の生みの親、大森敏明氏のもとで人材育成なども行われる。

東京でも「adidas footwear lab」に関する記者発表会が開催され、サッカー界からは東京五輪世代のFW岩崎悠人(京都サンガF.C.)が登場。

イベント後、高卒1年目で奮闘する19歳にインタビューすることができたので、京都でのプレーや今年出場したU-20ワールドカップなどについて聞いてみた。

― 今回のようなイベントに出席するのは初めてだと言っていましたが、やはり緊張しましたか?

すごく人が多くて、緊張しました。

― J2のリーグ戦も終盤戦に入りました。プロ1年目として、高校時代(京都橘高校)に思っていたJリーグのイメージと、実際にプレーしての印象は違いましたか?

全然違いました。高校時代は自分のプレーをすれば良かったので、その特長を出せば活躍できるんじゃないかなと思っていたのですが、プロでは周りとの関係性やチームの決まり事のなかで、自らの役割を理解してプレーしなければなりません。その点に関して、戸惑いはありました。

― 京都ではFWではなく主に2列目のサイドでプレーしていること、ロングボール主体のチーム戦術なども影響していますか?

チームスタイルとしては高校時代からロングボールが多かったですし、長いボールも好きなので戸惑いはありません。ただ、プロでは今のところ競ってもなかなか勝てないため、セカンドボールを拾う仕事が多いです。また高校ではパスを受ける側でしたが、今はどちらかというと出す側になっています。

― サイドでのプレーにおいて心がけていること、監督に言われていることは何ですか?

2トップが身長の高い“ツインタワー”なので、その周りを動き回り、常にセカンドボールを狙っています。監督にもセカンドボールへの意識と、あとは前向きでボールを奪えたら仕かけろと言われています。

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― ツインタワーの話が出ましたが、京都のFWは多彩な顔触れがそろっています(※田中マルクス闘莉王、ケヴィン・オリス、大黒将志、イ・ヨンジェなど)。そのチームメイトのなかで、この選手のここが凄いな、参考になるなというところを教えてください。

みんな本当に特長があって、ひとりひとり個性がありますね。トゥーさん(闘莉王)であればキープ力があり周りを生かしながら、最後は自分で決めきるところがさすがだなと思います。オグリさん(大黒)はクロスに対する合わせ方がめちゃめちゃ上手くて、ボールをとらえる技術を含め、やっぱり日本代表だなと(笑)。

トゥーさんには「とにかく中に入れてくれれば、あとは俺が何とかする」と言われているので、合わせることをそこまで意識せず上げたほうが良い結果に繋がることもありますね。そういった点ではやりやすいです。

― 今年5月、U-20ワールドカップへ出場しました。小川航基選手の負傷離脱で途中から状況が変わった面もありますが、世界の舞台でプレーし、やれると思った部分とここは差があると感じた部分はどこですか?

タイミングを細かく外してステップを踏んで仕かける、一気に加速するといったところはいけるかなと思いました。逆に、相手を背負いながらなど接触プレーについては課題が多かったです。ただ、一番の差は「決定力」だと思います。本当にワンチャンスを決めてくるので、その一つにかける思い、俺が決めるという気迫が違うと感じました。

特にウルグアイは凄かったです。彼らは11人全員ドリブルが上手くて、寄せてもプレッシャーを感じていないようでした。

― なるほど。ただ一方で、岩崎選手はU-20のチームの中でも“闘える”選手の一人だったと感じています。A代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督が再三デュエルの重要性を説くなかで、日本人の体型でそこに勝つためのコツみたいなものはあるでしょうか?

とにかく、気持ちに尽きると思います。最後まで足を伸ばしきるとか、もうちょっと寄せるとか。11人できちんと守備をすればやられる感じはなかったので、そこを突き詰めていくことは今回の大会でも明確になったんじゃないかなと。

― 岩崎選手を見ていると、ドリブルにしてもシュートにしても鋭さをすごく感じます。そういった自分の武器をこれまでどのようにして磨いてきましたか?

中学のときまではボランチをやっていて全然そういう感じではありませんでした。高校に入ってからFWで使われるようになり、自分で何とかしなければならない場面が増えました。その環境ですかね。ボールタッチなど技術面は中学時代に頑張っていた部分もあるかなと思います。

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― 海外サッカーを見ていてスゴイと感じる選手、プレーはありますか?

あまり見ないので選手は特にいないのですが、プレーに関してはスピード感や迫力が違うと感じます。J1と比べても、常に前を意識しながら守備でもボールを狙っているというか。技術があって前にも速い。見ていて面白いですね。

― 2020年の東京五輪世代ですが、東京五輪という大会をどのようにとらえているでしょうか?

目標の一つであり出場したいですが、サッカーの場合はその先があるので、2020年の前にA代表も狙っていきたいです。五輪は世界を感じることができる舞台ですし、大会までに海外へ移籍できていなければ、そこで結果を残して海外へという気持ちを持っています。

― 海外でプレーすることを見据えた上で、自身の課題と感じる部分があれば教えてください。

「結果」で評価されるのが海外だと思っています。どんなプレーをしても、得点を決めればヒーローになれる。そのための技術を上げるのが一番ですが、それに加えて自分の持っている特長、泥臭さや球際、前への推進力などを伸ばしていきたいです。

― 最後にスパイクについてうかがいます。FWで「エース」を履いている選手は正直珍しいと思うのですが、どの辺りが気に入ったのでしょうか?

フィット感ですね。このモデル(エース 17)を最初に履いたとき、すごく足にフィットして、ボールタッチがしやすかったんです。それで愛用しています。スパイクは薄くて固いアッパーが好きで“素足感”みたいなところを重視しています。

― ちなみに、好きな色は?

黒、あと白ですね。ファッションも白黒系が多いです。カラフルなものが好きだった時期もあったんですが、落ち着きました(笑)。

落ち着いた語り口のなかに、ピッチそのままのギラギラした思いをうかがわせた岩崎。

4月の大分トリニータ戦で記録したプロ初ゴールを見ても明らかなように、得点感覚では世代でも屈指のものを持つ。

プロ1年目は高校時代と違うポジション・役割を担うことが多くなかなか持ち味を発揮することができないが、これも良い経験となるはず。

闘莉王や大黒といった元日本代表選手にも揉まれながら一歩ずつ成長する19歳のFWに注目だ。