『逃げ恥』『カンナさん』枠でクドカンが挑む“おばさん犯罪ドラマ”が痛快

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脚本・宮藤官九郎×主演・小泉今日子の最強タッグでスタートしたばかりの新ドラマ『監獄のお姫さま』(TBS系列、毎週火曜22:00〜)。5人の女囚と1人の刑務官による、イケメン社長への復讐劇を描いた“おばさん犯罪エンターテインメント”だ。

『逃げるは恥だが役に立つ』を筆頭に、『カルテット』『あなたのことはそれほど』『カンナさーん!』と、ヒット作を次々と生み出してきた「火曜ドラマ」枠の最新作。女性をターゲットにした作品を描いているのはこれまでと同様だが、アラサー女性の生き方や活躍が目立ったのに対し、今作は“おばさんの犯罪”がテーマ。リアルでコミカルな人物設定、雑談のように見えて実は練られている台詞の応酬が印象的なクドカンの脚本とあって、「観なきゃ♪」「今から楽しみ」「キャスティングがすごい」「クドカンは面白いからなー」と、事前の期待度も断トツだった。

クドカンと言えば、『池袋ウエストゲートパーク』『木更津キャッツアイ』『タイガー&ドラゴン』といった若者向けの作品が有名。「火曜ドラマ」枠の「女性」という軸はぶれることなく、「おばさん」「女子刑務所」という捻りのきいた舞台に設定した理由について、クドカンは「今『木更津キャッツアイ』のテンポ感でドラマを作ろうと思ったら、若者よりおばちゃんの方が俄然しっくり来る。早口だし、声が大きいし、他人の話を聞かないし、同じことを何度も言うし。暴力的な速度と有り余る熱量。彼女たちのおしゃべりをエンドレスで聞ける場所はどこか、と考え舞台を女子刑務所に設定しました」と語っている。

そして、クドカン×小泉の最強『あまちゃん』タッグという触れ込みだけでなく、先日引退を発表した安室奈美恵の新曲「Showtime」が主題歌、伊勢谷友介が連続ドラマ初出演と、注目度抜群の中でスタート。第1話では、主人公の女囚・馬場カヨ(小泉)が、冤罪で服役している江戸川しのぶ(夏帆)の復讐のため、刑務官の若井ふたば(満島ひかり)、囚人仲間の勝田千夏(菅野美穂)、大門洋子(坂井真紀)、足立明美(森下愛子)と、出所後に大企業のイケメン社長・板橋吾郎(伊勢谷友介)を誘拐するというストーリーが描かれた。

カヨたち5人は、まずしのぶに殺人の罪を着せた吾郎の息子を誘拐しようとするが、地図が読めない、車のエンジンがかからないなどハプニングの連続で、何度も失敗。計画は綿密に練られているものの、どこか抜けがあり、その度に言い争ったり悔しい顔をしたりと人間臭さを漂わせていた。

また、吾郎と千夏がTBSの人気番組『サンデー・ジャポン』に生出演するというリアルなパロディも視聴者をバカ受けさせた模様。MCの爆笑問題、吉田明世アナは本人だが、テリー伊藤、壇蜜、細野敦、池田美優などレギュラー出演者の名前パネルの前に座っているのは、よく見るとそっくりさんだ。「マライアキャリー激やせか」という奇をてらった議題のほか、前後の楽屋シーンももちろんTBSの一室で、局をフル活用した演出もクスッと笑える要素だった。

こういったTBSならではのパロディだけでなく、注目ポイントは多数。カヨたちの目的がなかなか遂行されないという心地良いモヤモヤがありつつも、時間軸の揺れ、吾郎の夢と現実に散りばめられた小ネタ、クドカン節炸裂の台詞など、思わず突っ込みたくなる演出で興味を惹く中、吾郎の息子、そして吾郎本人をやっと誘拐。それまでケアレスミスによるハプニング&失敗続きでまとまりが見られなかった彼女たちの作戦遂行、そしてラストで元囚人である彼女たちに対し、元刑務官のふたばが大迫力で号令をかけるシーンでは、これまでのモヤモヤを一気に払拭する痛快さがあり、「スッキリ〜!」「久しぶりに面白いドラマ」「この瞬間見るためにここまで見てたんだな」「さすがクドカン!」と、ネット上もこれからより深みを増していくであろうクドカンワールドに魅了されていた。

10月24日に放送される第2話では、第1話の6年前、カヨが「自立と再生の女子刑務所」 に収監されていた時のことが描かれる。スピード感のある予告動画では女囚vs女囚のトラブルも示唆されており、ますます目が離せない展開になりそうだ。