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大手医療機器メーカー「フクダ電子」の子会社「フクダ電子長野販売」(長野県)で働いていた元従業員の50〜60代女性4人が、会社からパワハラを受けたとして、慰謝料など総額約1700万円を求めた訴訟の控訴審が10月18日、東京高裁であった。畠山稔裁判長は会社側の主張を退け、会社と代表取締役(常務)に約660万円の支払いを命じた。

一審の長野地裁松本支部は、会社のパワハラを認め、約360万円を支払いを命令。会社側は判決を不服として控訴し、元従業員側も、慰謝料の額などをめぐり付帯控訴していた。

判決文によると、原告4人は事務職で、会社からのパワハラを受けて、退職したと訴えていた。東京高裁は、このうち1人について、不当な降格や賞与の減額があったと認定。長時間にわたって部屋に呼び出しを受けるなど、正当な理由なしに、継続的に非難や批判を受けていたとして、パワハラや退職強要を認めた。また、別の1人についても、不当な賞与の減額や「給与が高すぎる」「50歳代の社員は会社にとって有用でない」などの発言をされたと判断した。

さらに、残る2人については、直接的な被害を受けたわけではないが、近しい同僚2人の被害を見ていることから、「今後自分たちにも同じような対応があると受け止めることは当然である」として、間接的ではあるが退職強要があったと認めた。これらの結果、退職が自己都合から会社都合に変わるなどして、一審から認容額が増えた。

判決後、東京・霞が関の司法記者クラブで会見した女性の1人は、「(代表取締役は)朝礼で全員がいる前で、『50〜60代は考えが変わらない抵抗勢力だ』と話していた。定時で帰れば、『事務員は暇だ』。残業したら、『仕事ができない』などと言われたこともある」などと、当時の会社の雰囲気を語った。

代理人を務めた上條剛弁護士は、「見せしめ的に特定の人に退職強要をする現場は多い。そういう現場について、間接的な退職強要が認められたことは大きい」と判決の意義を語った。

同社は「担当者が不在にしている」と話している。

(弁護士ドットコムニュース)