前回の記事「10月21日はハレー彗星の置き土産、オリオン座流星群を眺めよう」では、今週末に極大を迎えるというオリオン座流星群について詳しく紹介してくれた、無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』の著者・須田將昭さん。今回は、流星群を観察するためのポイントを記してくれました。

流れ星を見よう

「10月21日はハレー彗星の置き土産、オリオン座流星群を眺めよう」ではオリオン座流星群の紹介をしましたが、実際に流れ星を観察するためにはどのような準備が必要となるのでしょうか? 今日はその辺をご紹介しましょう。

まずはロケーションですね。できるだけ街明かりの少ない、空の暗い場所にでかけたいところです。視界を遮るものが少ない方がいいのですが、都会の場合は、神社の中など、やや周りが木に囲まれていて、でも街灯がない、という環境の方がいいこともあります。その辺は動ける範囲で最良の場所を探してください。

次に防寒対策。10月中旬とは言え、夜中はかなり冷え込みます。冬に街中を歩くぐらいの服装の準備はしておくといいでしょう。じっとしているとめちゃくちゃ冷えますよ。

もし空が十分に暗くて、視界も広い、ゆっくり観察できる場所が見つけられたら、ぜひ長居したいですね。流星はちらっと空を見上げてすぐ見えるものではありません。極大の時間帯に、もっとも理想的な空の下で観察していても1時間に15個程度。平均して4分に1個。空の条件が悪かったり、極大の時間から外れると、10分、20分に1個、2個です。流星のためにはちょっと辛抱強く見上げる必要があるわけです。

さて、そうなると最高の体勢は「寝転がる」です。でも、地面にそのまま寝転がると、大地に体温を奪われてしまうので、断熱マットと寝袋があると最強です(ぬくぬくして寝てしまうという罠も…)。座って見られるような折りたたみの椅子なんかも便利ですよ。ずっと見上げていると首が痛くなりますが、寒空の下、30分、1時間と立ってはいられません。椅子があるだけずいぶん違いますよ。

まずは場所。星がたくさん見えるところ。そしてしっかりと防寒対策。長い時間、観察できるように寝転がるか、最低でも椅子を用意。参考にしてください。

今度は持ち物や見るときの注意を書いてみます。

まず、持ち物について。今回はオリオン座流星群ということで、目印となる星座はとてもわかりやすく、ほとんどの場合は必要とならないかもしれませんが,せっかくなので他の星座も探してみましょう。

ということで「星座早見盤」があるといいですね。市販品で買っても1,000円前後で安いものですが、もしお子さんやお孫さんとご覧になるというのでしたら、先に一緒に工作してみるのはいかがでしょう? JAXAが教材用に型紙を用意してくれています。

● 星空を身近に感じよう 星座早見盤

印刷して厚紙に貼るなどして作るといいでしょう。星座早見盤も、一等星だけのもの、主な星だけのもの、星の数が多いものと3種類あります。簡単な星座だけ探すのなら、2番目のものが、空と見比べやすいかもしれません。

スマホのアプリでもあるのでは? と思われるかもしれませんが、基本的にスマホは星空の元ではしまっておきましょう。というのも、スマホの画面は明るすぎて、星を見るのに邪魔になってしまうのです。

流れ星を見るときには、暗い流れ星でも見えるように、しっかりと暗闇に目を慣らしましょう。瞳孔が開くと暗い星も見えるようになりますが、瞳孔が開くのには時間がかかります。でも、元に戻るのは一瞬です。少しでも明るい光が目に入るとまた一からやりなおしです。スマホは絶対に使わない。これは大原則です。

でも、暗闇で歩くのは危険…そうですね。懐中電灯やライトの類は、赤いセロハンやビニールテープで減光しておきましょう。赤の光はあまり影響しませんので、それなら使っても問題はありません。

場所によっては他に観測していたり、写真を撮影していたりする人もいるでしょう。他の人の邪魔にならないように、しっかり赤色で減光しておいてください。スマホももちろん、LEDライトであちこち照らし回ったり、空に向けたりというのも他の人の迷惑になりますので気をつけましょう。

星座を探すために、星座早見盤を用意すること。暗闇に目を慣らすために、明るいライトは使わず、赤色で減光したものを使う。スマホは厳禁。この辺を守ればしっかり観察できると思います。

ここまで流星の観察の準備を書いてみましたが、「観測」という、少し本格的に取り組んでみたい、という気持ちになった場合、どうしたらいいでしょうか?

観測と聞くと難しそうだな…と思われるかもしれません。確かに、「きちんとした観測」となると、一定のレベルが要求されますね。でも、誰もいきなり最初から「きちんと」はできません。少しずつやって上達して、ようやく「きちんと」できるようになるわけで、やらないままならずっとやれないまま。これはどんなことでも同じですね。

まずは、今までに書いたような準備をしっかりして、流星を1個でも2個でも見てみましょう。そこがスタートです。見たことを後に残しておきたい…という気持ちになれば、そこからが「観測」です。

いろんな観測があります。昨日までの準備プラスαぐらいの用意で、誰でもすぐに始められるのが眼視観測です。観測者の能力が求められるものですが、やっていくうちに上達するもの。最初は見間違いや不正確なことがあっても、そこを乗り越えていこうという気持ちが大切です。

機材があるのでしたら、写真観測やビデオ撮影観測、というのもありますね。最近はデジカメもずいぶん普及しましたし、高感度での撮影でも昔よりずっとずっと画質がよくなってきました。自分の目では見えなかったものや見逃したものも、しっかり記録してくれますし、何より客観的な画像は正確な観測結果として使えるのがありがたいですね。眼視観測とセットで使うとさらにいいでしょう。ビデオは流れていく様が残るとかなり嬉しいでしょう。

写真でもビデオでも時計をしっかり合わせておくと、流星が発生した正確な時間が記録できますし、本当に重宝しそうです。ビデオは音声も残せますから、「あ、流れた!」という声も入りますね。

今回は観測の手法としてこんなのがありますよ、というところまでで止めておきます。まずは「観察」してみて、流星を自分の目で見てみてください。そこに感動して、さらにもっと見たい、残したい、という気持ちになった時には、ぜひ色々検索して、調べて、自ら試してみてください。それは科学する心そのものだと私は思います。

初めて流星の観察をしたのは、中学2年の時だと思います。夏休みの自由研究に流星観測を選びました。誰も指導者がいなかったので、本で色々自分で調べて、色々用意して、2時間か3時間、椅子に座って首が痛くなる思いをしながら観察しました。

今でもその時の星空は忘れません。街中の空ですから決して綺麗な空ではありませんが、一生懸命やったことというのは一生残るものですね。

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出典元:まぐまぐニュース!