PK1人目のキッカーを務めたDF菅原由勢(名古屋U-18)

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[10.17 U-17W杯インド2017 決勝T1回戦 日本0-0(PK3-5)イングランド]

 世界と互角に戦った。凛とした表情でミックスゾーンに姿を見せたDF菅原由勢(名古屋U-18)は「このチームに2年半招集し続けてもらって、思い入れもあった。勝つためにできることを全てできたかなと思っています」と胸を張った。

 圧巻のパフォーマンスだった。相手はFWアンヘル・ゴメス(マンU)、MFフィル・フォデン(マンC)らプレミア所属揃いのタレント集団。押し込まれる時間帯も立て続けに体を張った。スライディングでシュートをブロックし、スピードある相手に寄せて攻撃の芽をことごとく潰した。

「思い切りやるだけだった。自分たちの持っている力を全部出した」。DF陣とGKの間で約束事を守り、「犠牲心を持って」連動した守備を構築。集中力は最後まで研ぎ澄まされ、タフな堅守が攻撃にもリズムをもたらした。

 高い期待値を上回る活躍ぶりを、森山佳郎監督も称賛。「何回、決定機を体を張って防いだか…。本当に素晴らしい。魂を揺さぶってくれるような頑張りだった」。菅原はU-17W杯で全4試合に出場(先発は3試合)。4-4-2のセンターバックと右サイドバックでプレーしたほか、第3戦のニューカレドニア戦は途中出場で3-4-2-1のボランチに入って攻撃力も示し、複数ポジションを器用にこなす万能性を惜しみなく発揮した。

「17歳でも日の丸を背負って戦えるのは、言葉で表せないくらい大きいものだと思う。W杯という舞台で11人に入る責任もあった」。負傷でメンバー外となったDF瀬古歩夢、開幕後に負傷離脱したFW齊藤光毅の分まで、死力を尽くした。

 53,302人の大観衆の前で堂々と戦ったイングランド戦は90分間では勝負がつかず、運命のPK戦へ。日本1人目のキッカーを務めて見事成功させたが、チームはPK3-5で敗戦。あと一歩届かず、“00ジャパン”はベスト16で解散となった。

 イングランド戦だけではなく、11日のフランス戦でも9番FWアミン・グイリ(リヨン)とのマッチアップで手応えをつかみ、1対1で互角に渡り合った。この経験を必ず、先につなげる。「所属チームに還元することと、A代表につなげていかないと意味がないと思う。A代表でW杯に出ることを意識して、日々過ごしていきたい」。次なる目標へ、新たなサバイバルレースがここから始まる。

(取材・文 佐藤亜希子)


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