イオンは16日、持続可能な社会の実現に向け、グループ内のスーパーなどから出る食品廃棄物量を2025年までに半減させる削減目標を策定したことを明らかにした。同時に食品廃棄物を堆肥に利用してリサイクルを進める「食品資源循環モデル」を2020年までに全国10カ所以上で構築する。

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 イオングループでは2015年で売上高100万円当たり35.6キロの食品廃棄物を排出している。今回の目標では段階的に削減を進め、2020年に25%削減したあと、2025年に半減させる。目標達成に向け、各店舗の廃棄物排出状況を見える化して発生を抑制すると同時に、グループ企業を横断する推進組織を地域ごとにスタートさせる。

 具体策としては、賞味期限が1年以上あるプライベートブランド「トップバリュ」の加工食品で、賞味期限を「年月日」表記から「年月」表記に改める。小売業界初の対応となり、切り替えは2018年春から順次進める。消費者が買うのをためらいがちな期限間近な商品の購入を促す措置で、併せて「おいしく食べられる期限」を示した賞味期限の意味をPRしていく。

 食品資源循環モデルは食品廃棄物を資源として活用する機会を増やすのが目的。対象となる店舗は全国1,000店以上に上る。店舗やトップバリュ商品の製造過程で出た食品廃棄物をイオンの直営農場などで堆肥に利用、農産物を育てて店頭で販売する。さらに、全国のパートナー企業とも連携し、地域の特性に合わせた食品資源循環モデルの構築を目指す。

 国連のまとめでは、世界で9人に1人に当たる約7億9,500万人が十分な栄養を取れない一方、食品として生産されたうち、3分の1に相当する年間13億トンが廃棄されている。環境省によると、国内で排出された食品廃棄物は2014年度で2,775万トン。このうち、食べられるにもかかわらず捨てられている量は621万トンに上る。毎年、わずかずつ減少しているものの、依然として大きな量であることに変わりない。

 イオンはこれまでも3R活動を通じ、食品廃棄物の削減に取り組んできた。国連は2030年に向けた「持続可能な開発目標」で食品廃棄物を半減させる目標を打ち出しているが、これを5年前倒しする形で取り組みを加速することにした。

 食品廃棄物削減の動きはイオン以外の小売業界に広がっている。ファミリーマートは液体飼料や堆肥に活用しているほか、ローソンはファストフードの調理に使った廃油のリサイクルなどを進めている。