神戸製鋼所のホームページを開くと「KOBELCOの3つの約束」が高らかと謳い上げられていた。

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 一つ目が「信頼される技術、製品、サービスを提供します」で、その説明には「私たちは、法令、社内ルール、社会規範を遵守することはもちろんのこと、高い倫理観とプロとしての誇りを持って、公正で健全な企業活動を行います」と記載してある。

 二つ目は「社員一人ひとりを活かし、グループの和を尊びます」と続き説明は「私たちは、安全かつ安心で、優れた製品・サービスを提供し、社会に貢献します」である。三つ目が「たゆまぬ変革により、新たな価値を創造します」となっている。

 さらに「KOBELCOの6つの誓い」まであって、「1.高い倫理観とプロ意識の徹底 2. 優れた製品・サービスの提供 3. 働きやすい職場環境の実現 4. 地域社会との共生 5. 環境への貢献 6. ステークホルダーの尊重」まで何ら異論の挟みようのない格調高い内容である。

 悪い冗談を聞いてしまったときに、どんな顔をしていればいいのか戸惑うような、気まずい思いが胸の中に広がった。不適切行為が発覚して僅か1週間の間に、自社の信頼どころか「日本のものづくり」への信頼をも大きく傷つけ続けている神戸製鋼所は、どこで間違えてしまったのだろうか?

 相変わらず神戸製鋼所の不適切問題が色々な角度から報じられているが、コンプライアンスに違反している訳ではないと、一縷の望みを託しているような見解も見られる。コンプライアンス違反であれば、待ったなしで法的な罪を問われる。企業間の背信行為であれば損害賠償責任を追及されるかもしれない。リコールなんてこともあるだろう。現在、表立って声を上げる企業は出ていないが、問題が日本のみならず世界に飛び火している現状を勘案すると、ドライな要求をしてくる企業が現れないとは限らない。同調する企業が出てくればドミノ倒しのように広がることだって想定し得る。何しろ500社に対して背信行為を働いてしまったのだ。10%で50社、20%で3桁になる。

 契約にとりわけ厳しい海外の反応が気になるが、中国では「新幹線の信頼が地に落ちた」と拡大解釈をして、自国の利益拡大を図るかのような報道も出てきた。今や、日本流の忖度や惻隠の情では治まらないグローバルな環境に置かれていることを忘れてはならない。

 17日には、「米司法当局から関連する資料の提出要求を受けた」ことを日本経済新聞が速報で伝えている。今まではプロローグ、いよいよシリアスなドラマが幕を開ける。