iOS版Googleマップ、テスト中のカロリー表示機能を取下げ。「摂食障害者への配慮に欠ける」と批判
最新のiOS版Googleマップアプリでは、短距離の経路検索をすると自動的に歩いた場合のルートと時間、消費カロリーを表示する機能が追加されていました。ところがこのカロリー表記がインターネット上で思わぬ批判にさらされることとなり、Googleはカロリー表示機能を削除することを明らかにしました。モバイル版のGoogleマップは、見知らぬ土地へ出かけた場合、これ無しでは不安に思う人もいるであろう必須のアプリとなっています。

そして、このiOS版の最新バージョンでは、ある程度短距離のルート検索をした場合、自動車での移動ルートと時間とともに、同じ目的地まで歩いた場合のルートと時間、そして予想消費カロリーが表示されるようになりました。これはおそらく「これぐらいの距離なら自動車に乗るより歩いたほうが健康にも良い」と奨励する意図があると思われます。

ところが、このカロリー表示を見たTwitterユーザーのTaylor Lorenz氏は、このカロリー表記はユーザーの身長/体重/性別/年齢を考慮しない単なる推定値でしかなく不正確なことや、画面部の距離表示をタップすると現れる経路解説の画面に「このウォーキングで約**カロリーが消費されます」としてミニカップケーキの画像を添えて表示されるのが、特に女性の心理を攻撃していると批判。
 
 
さらにこの表示をオフに設定できないこと、カロリー表示が摂食障害を抱える人に悪い影響を与える可能性があることなどについてたて続けにツイート、「この表示が私の血圧を上げている」と憤慨しました。

SNS上ではLorenz氏の意見を支持するユーザーが多数批判の書き込みをしており、Googleもこれを重く受け止めたのか、一時的に配布中のGoogleマップからカロリー表示を取り除く処置を実施したことを米Engadgetに対して認めました。
 

なお、このカロリー表示機能はすべてのiOS版Googleマップユーザーで有効になっていたわけではない可能性があると、米Buzzfeedは伝えています。また記事執筆時点で確認したところ、日本語版のiOS向けGoogleマップでもカロリー表示機能が確認できましたが、執筆中にいつのまにか表示されなくなりました。

Googleからすれば良かれと思って追加した機能のはずですが、Googleマップはフィットネスアプリのように特定の目的を持ったユーザーばかりでなく、広く一般に使われるものだけに、より細やかな配慮が必要だったかもしれません。