情報時代が到来するにつれ、「ガレージで始めたスタートアップ起業」が「シリコンバレードリーム」のおなじみのストーリとなっている。

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情報時代が到来するにつれ、「ガレージで始めたスタートアップ起業」が「シリコンバレードリーム」のおなじみのストーリとなっている。マイクロソフトやデル(Dell)などの大企業もそのようにして誕生した。学校をやめて起業するという、以前なら指をさされるような方法で起業する起業家も今は増え、大学生が起業して社長になるというサクセスストーリーも、Facebookの創設者であるマーク・ザッカーバーグらを描いた「ソーシャル・ネットワーク」のように映画化されている。(文:張燕。瞭望東方周刊掲載)

世界の多くの若者が「社長」になることを夢見ているものの、日本ではそのように鼻息を荒くする若者をほとんど見かけない。人材サービス会社・ランスタッドが33の国や地域で行った労働者意識調査では、多くの日本人は「社長」になることを望んでいないことが分かった。

▼日本は起業の盛んな国になれるか

最近、米国人1000人を対象に実施された調査によると、回答者の3分の2が起業家になるか、独立したいと考えていた。「社長」になりたい米国人は日本人よりはるかに多い。

「社長になりたい」という思いに差があるのは、文化の違いも関係があるだろう。日本人は、今ある枠組みの中で規則正しく物事を行い、段取りを踏んで事を進めることを好むのに対して、米国人は、流れに逆らうのを好む傾向がある。米国では早い時代に、若者が音楽や性、薬物などを通して、親に対する反抗の精神を表し、自分らしさを周囲の人に認めらてもらい、過去とは違うことをしようとしていた。しかし、ミレニアム世代(1980年代から2000年代初頭までに生まれた人)は、起業することで「反抗」の精神を表すようになり、テクノロジーがそれに拍車をかけた。

米国人のそのような起業に対する思いを日本で表した場合、成功することができるのだろうか?

近年、確かにそのような試みがされてきた。排他的な社会である「村社会」の日本で今、外国人起業家が増えている。日本の法務省の統計によると、15年、経営管理ビザを取得した外国人は1352人だった。それら全てが起業者ではないものの、企業の経営に携わっている外国人が今、安定した増加を見せている。

工場で使われる産業用ロボットに知能を与えるベンチャー「MUJIN」の創業者で、最高技術責任者(CTO)のRosen Diankov(出杏光魯仙)氏 は、「日本だからこそ、当社は力強い成長が期待できる」と話した。

Diankov氏は、「労働人口が減少の一途をたどっている日本は今、当社が開発したロボットコントロール技術を必要としている」との見方を示している。11年に会社を立ち上げてから、Diankov氏は積極的にクライアント開拓を進めている。MUJINは現在、物流企業など約20社に技術提供を行っている。

日本で業務を展開するには乗り越えるべきハードルもある。「日本企業は新技術や新商品の評価に長い時間をかける。商談を始めてから注文を受けるまでにも、長い時間が必要だ。業績がないから、『イノベーション』と呼ばれる」と Diankov氏。

日本では資金調達も至難の業だ。インターネット上で、医師を対象に薬品情報を提供している「エンタッチ」を2015年に立ち上げたマーティ・ロバーツ最高経営責任者(CEO)は、「社会から信用されることができないため、資金調達には何度も失敗した」と振り返った。

外国人が日本で起業を成功させることができているということは、日本の起業環境は決して悪いというわけではないことを示している。肝心なのは、日本人がいかに「社長になりたい」という意欲を高め、「快適」という「足かせ」を取り除くかだ。

経済学者の竹中平藏氏は、「この国は快適すぎて変わることができないと、私はよく言っている。今の状況を見ると、快適な国ではあるものの、近年経済は完全に停滞している。あと10年もすれば、みんなから活気がなくなり、経済は韓国より厳しい状況になるかもしれない」と警鐘を鳴らしている。(提供/人民網日本語版・編集KN)