カフェインがもたらす利尿作用のメカニズムを医師に聞いた!

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コーヒーやお茶には利尿作用があると聞く。その原因はカフェインであると分かるが、カフェインが体にどのように働きかけることで、利尿作用につながるかは、分からない人が多いのでは。そこで今回、兵庫医科大学小児科学の服部益治さんと、昭和学院短期大学の特任教授で医学博士である國香清さんの両名に、利尿作用のメカニズムから、利尿作用がもたらすメリット・デメリット、利尿作用の効果を減らす方法があるのかを伺った。

■利尿作用のメカニズム

まずはカフェインが体に与える影響を服部医師が解説してくれた。

「カフェインの身体への作用は3つあります。1つめは、脳に対する作用です。脳を興奮させ精神を亢進させることで眠気と疲労感を除去します。2つめは、血管に対する作用です。筋肉の血管を拡張させます。3つめは、腎臓に対する作用です。血管拡張で腎血流増加とともにナトリウムなどの再吸収を抑えます。この3番目の作用が、利尿作用に関係します。アルコールも同様です」(服部医師)

腎臓への働きについて國香教授は次のように解説する。

「カフェインは交感神経を刺激するので、腎臓の血管が拡張し、血液ろ過量が増加します。その増加量に伴って尿の生成量が増えるので、排尿の量や回数が増加します。緊張したときに、交感神経が働いてオシッコをしたくなるのと同じメカニズムです。また、アルコールも利尿作用が強いので、飲んだ水分量以上の水分が排泄されます。水分の多いビールでも、多飲すれば脱水状態になります」(國香教授)

どうやら交感神経への刺激と利尿作用は相関するようだ。

■利尿作用のメリット、デメリット

では、利尿作用のメリット、デメリットについて聞いてみた。

「利尿作用のメリットは、身体の中の老廃物が尿中へ排泄される率が高まるので、健康や美容にプラスになること。そして体内の水の循環が亢進するので、むくみが解消されることです」(國香教授)

どうやら、健康にはよいと思ってよさそうだ。実際に利尿作用が応用されているという医療現場もあると、服部医師は語る。

「高血圧の解消も利尿作用のメリットです。医療現場では、利尿薬でむくみを改善したり、血圧を下げたりするのに活用されています」(服部医師)

血圧を下げる効果まであるとは……。では逆に、デメリットにはどのようなことがあるのだろう。

「デメリットは、尿量増加でトイレに行く回数が増えること、尿から不要物以外に必要なものまで排泄されることと、水分補給の目的で液体を摂取しても補給にならないことの3つです。利尿作用が強いと排泄量が摂取量を上回り、身体の液体を失うことで脱水症に陥ることがあります。春から夏の熱中症、嘔吐下痢症の体調不良の原因の多くは脱水症です。ひどい場合は、死に至ります」(服部医師)

トイレの回数が増えると、寝不足で睡眠の質を下げる結果にもなるという。國香教授によれば、コーヒーなどを1日に1〜4杯程度摂取する程度では脱水症になることは少ないが、ビールなどのお酒を飲み過ぎた場合は、一気にリスクが高まるとのことだ。

■利尿作用を減らすことはできるのか?

利尿作用のリスクを下げるために、利尿効果を軽減させる術も知っておきたいが……。

「カフェインの利尿作用を抑える方法はありません。カフェインが血中に残っている間は、利尿作用が継続します。トイレが心配な場合は、カフェイン量の少ない商品を選ぶか、飲用量を減らすことしかありません」(國香教授)

体内でカフェインの効果を鎮静させる術はない。やはり、適正な摂取しか抑える方法はなさそうだ。

「体液を失う危険性があるとき、例えば汗で体液を多く失う夏や、乾燥で体液を取られやすい冬は、特に注意しましょう。ただし、極端な水分制限は血液をドロドロにし、血管を詰まらせ、脳梗塞や心筋梗塞の危険があります。『過ぎたるは猶及ばざるがごとし』という言葉のとおり、利尿作用のある食品は摂取し過ぎない程度にと意識するのがポイントです」(服部医師)