アレルギー治療法ではないし万能予防法でもない

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2017年10月12日、日本小児アレルギー学会は公式サイト上で、6月に発表した「鶏卵アレルギー発症予防に関する提言」の趣旨や意図を患者や一般家庭に向けて簡潔に説明した解説文を発表した。

解説の意図について同学会は、提言の発表以降アレルギー発症予防への関心は高まったものの、提言の主旨を短絡的に捉えて「鶏卵の早期摂取」という概念だけが広まることを危惧したためとしている。

失敗してアレルギーを発症した例も

「鶏卵アレルギー発症予防に関する提言」は6月には、国立成育医療研究センターを中心とする研究グループが発表した研究成果に基づき、医療関係者に向けて出されたものだ。

鶏卵アレルギーの発症を予防するために、離乳食による卵の摂取を遅らせるのではなく、早期に微量摂取を開始することを推奨するものだが、あくまでも指導する医師に向けた提言。今回の解説の中でも日本小児アレルギー学会は、

「この提言を読まれた方も、自己判断で摂取を開始するのではなく、必ずかかりつけの小児科医に 相談した上で離乳食を進めてください」

と注意を促している。

そもそも提言は鶏卵アレルギーを発症するリスクが高い、生後6か月未満でアトピー性皮膚炎がある乳児で、すべての乳児に早期摂取をすすめるものではない。

また、摂取開始にあたってまずはスキンケアやステロイド外用薬で皮膚炎の治療を行い、湿疹がなくなった状態で医師の指導と観察のもとごく微量の卵を摂るというもので、家庭で実施できるような内容にはなっていない。

対象者のアレルギー発症を完全に予防できるわけではなく、すでにアレルギーを発症している場合にも効果はない。気がつかず軽い症状を見落として重症化する恐れもある。

また、提言の根拠となった研究も病院の厳重な監督下で実施されているが、同様の研究の中には、摂取コントロールに失敗し逆にアレルギーを発症させて中止になったものもあり、同学会は自己判断で摂取しないよう強く求めている。

解説の全文は同学会の公式サイト上で読むことができる。