中国新疆ウイグル自治区トップの言動に批判も

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 中国新疆ウイグル自治区のトップ、陳全国・同自治区中国共産党委書記が今月1日、少数民族の全家庭に習近平国家主席の肖像画を飾るよう指示した。この件に対し、18日の党大会を前にしての「あからさまなゴマすり。自分が党政治局員に出世したいための猿知恵だ」との批判がネット上で展開されている。

 陳氏は前職が同じく少数民族地区であるチベット自治区のトップだったが、その際もチベット仏教寺院に毛沢東、トウ小平、江沢民、胡錦濤といった歴代の最高指導者に加えて、習氏の肖像画を掲げるよう指示しており、「チベット時代の二番煎じで、あまりにも露骨なやり方」との書き込みも見られる。香港紙「蘋果(リンゴ)日報」が報じた。

 新疆ウイグル自治区では先月下旬から各家庭に習氏の肖像画が配布されており、最近では自治区当局が各家庭を巡視し、飾っていない家庭にはリビングの最も目立つところに強制的に掲示を命じているという。

 当局は住民に「これは中国の最高指導者である習近平主席に忠誠を示す最も分かりやすい方法だ」と述べているという。

 これについて、海外のウイグル人組織「世界ウイグル人大会」のスポークスマンは「ここ40年来なかった政治運動だ」と指摘している。また、米政府系メディア「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」は「これは陳氏が党大会で、党中央政治局員に昇格するための奇策だ」と分析。リンゴ日報も「党大会をにらんでの陳氏の政治的な思惑が絡んでいる」との見方を伝えている。

 党政治局員は現在、25人で構成されており、8000万人の党員のトップ組織。18日からの党大会を経て改選され、新たな局員が選出される。通常は北京、上海、天津、重慶の4直轄市トップと広東省トップは政治局員に就いているが、新疆ウイグル自治区トップの場合は、選に漏れることもある。

 このため、陳氏は習氏の肖像画の掲揚を義務付けることで、自身に対する習氏の印象を良くしようとの思惑が働いているという詮索をされても仕方がないところだ。

 ネット上では「あざといやり方。自治区の住民を利用して地位を手に入れようとしているとは、まったくの偽善者だ。それほどまでして、出世したいのか」や、「前のチベット自治区トップ時代と同様、少数民族を踏みつけにするやり方だ。まるで、習氏を神様扱いしているところがいやらしい」などと書き込まれている。