最近、「1 on 1」面談がトレンドになってきているようです。上司が部下と月に1回など定期的にミーティングをすることで、部下の成長につなげようというものです。

 単なる月次報告とはちょっと異なり、「部下の成長」が目的として入れられているところがミソです。

 私が行っているクライアントの方とのコーチングセッションや、主宰しているリーダーのためのコーチング塾でも、「部下とどうやって接したらいいか」について質問を受けることが多くなっています。

 一般的に“コーチング”の手法と解釈されている「聞く&引き出す」ことだけでは、部下がストレッチして成長することにつながらないのではないか、と懸念されるようです。

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部下の答えが「まだまだ」の時、どうするか

 コーチングは、相手が、自分の人生を自らが主人公として生きられるように、「自分から何か行動を起こす」、つまり「自走する」ことができるように応援するのが目的です。

 そして、目的を達成するための基本は、相手の話を聞くことと、相手が考えを深められる質問(「本当はどう思う?」「どうしたい?」など)を投げかけることです。

 ただ、部下の成長のための面談となると、相手の答えを聞いて「知識や経験がまだまだ足りないな」とか「もっと違う方法を考えられないのか」と感じられる場合もあるでしょう。

 そんな時は自分の経験や知識、思いを伝えることも大切ではないかと思います。伝え方としては次のような感じです。

「こんなアイデアや、あんなアイデアもあるんじゃないかな」

「君なら、もう少しできると思うんだけど、どうかな? もしやってみたいなら、そのために手伝えることはある?」

「こうした方がいいよ」と教えたり指示するのではなく、あくまでも提案型で、相手に選択肢を用意してもらうようにします。そうすることによって、部下は自分で考えて判断するようになり、自走に近づいていくのです。

自然な言葉遣いができるようにするために

 これは結構微妙な言葉の使い方になってしまうので、難しく感じられるかもしれません。では、どうすれば自然にそういった言葉遣いができるようになるのでしょうか。そのためには、以下の2つのことが大切だと思います。

 1つ目は、普段から信頼関係を築くことです。仕事上の必要な会話だけではなく、「何が好きなのか、どんなふうにプライベートを過ごしているのか、大切にしている価値観は何か」といったことを雑談などで交わして、お互いをより深く知ることです。

 もう1つは、「この人には、人生の主人公として無限の可能性があるんだ。自分で自分の道を決めることができるんだ。自分でどうすればいいかを考える力があるんだ」と考えながら、接していくことです。これには、自然とそれに合った言葉が出てきたり、部下にその感情が伝わって部下がその信頼に応えようとしてくれるようになる効果があります。

 ぜひ、2つのことを試してみてください。部下の反応にも、自分の中にも、変化が生まれてくるはずです。

筆者:和気 香子