井上真央主演『明日の約束』は“いびつな親子”を描く ふたりの生徒と向き合った第1話

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 井上真央が、2015年放送の大河ドラマ『花燃ゆ』(NHK)以来、久々に主演を務めるドラマ『明日の約束』(関西テレビ・フジテレビ系)の第1話が放送された。ヒューマンミステリーである本作の舞台となるのは、高校。井上演じる藍沢日向は、スクールカウンセラーとして、悩みを抱える生徒の心のケアに力を尽くしていくなか、不登校の吉岡圭吾(遠藤健慎)と万引き騒ぎを起こした増田希美香(山口まゆ)の2人の生徒と関わっていく。

(参考:『明日の約束』第1話 場面写真

 2人の生徒が抱える問題は、どちらも“母親”が関係しているようだった。圭吾のことが気になった日向は、クラス担任の霧島直樹(及川光博)と家庭訪問に向かう。日向は、圭吾が自分たちの前で決して笑顔をくずさない様子が気にかかり、部屋で2人で話すことに。やっと圭吾が日向の前で、作り笑顔を崩しはじめたかと思うと、「もういいですか」と背後から圭吾の母・真紀子(仲間由紀恵)がやってきて、日向と圭吾の会話を遮ってしまう。真紀子は一枚の診断書を出し、イジメが原因で圭吾が“軽いうつ”を患っていると日向と霧島に詰め寄るが、日向は真紀子の振る舞いに違和感を感じているようだった。

 一方、万引き騒ぎを起こした希美香を日向は誕生日ケーキで迎え入れる。徐々に心を開いていった希美香は、母の麗美(青山倫子)が希美香の誕生日も忘れ、男と遊んでいたため、その邪魔をしようと万引きに及んだと打ち明けた。「気持ち悪い。あんな女になりたくない。でも…」希美香の寂しさに気付いた日向は「思っていること、ちょっとずつでいいから吐き出してみたらどうかな?」とアドバイスする。帰宅した希美香は、麗美に「昨日のことだけど…」と謝ろうとするが、麗美は「私、幸せになれないじゃん、あんたがいるとさ」と男にフラれたあてつけに、缶ビールを希美香に投げつける。その拍子に離婚した父親が、自身の本当の父親ではないことを伝えられ、パニックになった希美香と麗美は揉み合いになる。

 「私、お母さん、殺しちゃった」。電話を受け、病院に向かった日向は希美香のそばにいた。麗美は命に別条はなく、意識も回復。「私、お父さんだけじゃなくて、お母さんにも捨てられちゃうの」という希美香に日向は、仲直りして今まで通り暮らす選択肢だけではなく、「母親から自由になる選択肢。母親とは関係ない自分自身の人生を生きる」という道もあることを伝える。希美香は叔父家族とともに暮らすことを決め、「お母さんのこと捨てちゃった」と言葉を漏らす。そんな希美香に日向は「頑張ったね、増田さんは強いよ」と励ますのだが、去っていく希美香の背中を見守りながら、「私なんかよりずっと」と言葉を続けていた。

 物語を通して、2人の生徒と接している間、日向は彼らと自分自身を比べて回想していた。冒頭、第一声となる日向のセリフは「私は母親を好きになれない」というもの。日向は幼い頃から過干渉な母の尚子(手塚理美)とのいびつな関係に悩んでいた。母親から自由になった希美香には自身の姿を重ね、圭吾を溺愛する真紀子には自らの母親の姿を重ね合わせているようにも見えた。だからこそ、誰よりも圭吾の異変に気づき、「最後に味方になってあげられる大人」として、生徒に温かいまなざしを向けるスクールカウンセラーを全うできている。

 最後には圭吾が自宅で自殺をはかったという連絡が入る。今後の見どころとなってくる、圭吾の死に影響している人物の「犯人探し」とはまた別に、日向と尚子の親子関係、そして「だけど、私は母のことを…」に続く、日向の母親に対する本当の想いが明かされていくのだろう。

(大和田茉椰)