照英本人が照英役として登場!? 『おそ松さん』第3話がまさかのカオス展開に

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 TVアニメ『おそ松さん』(テレビ東京ほか)第2期の第3話「げんし松さん」「チョロ松と一松」「トト子の挑戦」が、10月16日深夜に放送された。

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※以下、ネタバレあり

 第3話では、2005年から放送されている『元祖!大食い王決定戦』(テレビ東京)のパロディネタが満載の回……というよりも、むしろ『元祖!大食い王決定戦』のアニメ化と言った方が正しいのではないだろうか。というのも、同番組で2016年から2代目メインMCに就任している照英本人が、照英役の声を務めているキャラクター“照英”が登場しているのだ。もちろん、『おそ松さん』バージョンの『元祖!大食い王決定戦〜開幕! 爆食女王戦』(アニメ内では「爆食い女王決定戦」)でも、照英がMCを担当。法被姿を含めたビジュアルをはじめ、照英のサインやトト子以外の挑戦者まで忠実に再現されている。

 タイトル自体は「トト子の挑戦」であるが、あくまでトト子はツッコミ(?)役に徹していた。そのため、この回の主役は照英と言っても過言ではないほど、彼が全面に推されていた印象だ。さすが、『おそ松さん』というべきか……。自局の番組を一切躊躇することなくネタとして消化してしまうのだから、恐ろしい。加えて、照英の声を照英本人にやらせて、遊びまくるというアナーキーさには驚かされた。腹筋が崩壊してしまうのではと思うほどに笑いが止まらない。

 もちろん、次から次へと小ネタも放り込んでくる。ライバルたちを見渡すシーンでの、トト子のモノローグでは「確かに周りは、ブスで庶民だらけ。あぁ、間違えた……。強豪だらけ」とさらっと毒づく。ほかにも、照英が「照英で〜す!」と名前を口にするときは、日差しがスポットライトのように当たり、トト子の応援に来た6つ子たちの悩み相談を受けたときは、彼らの境遇(ニート、童貞、努力しても報われない)に大量の涙を流す。

 照英いじりはどんどんヒートアップしていき、ついにはトド松が「そんなことより、も‌えもえ紹介してよ。てるひで〜」と照英の本名(照英/てるひで)をさりげなく呟き、それに対して「失礼だな、君」と食い付く照英。そのまま6つ子VS照英のバトルに発展していく。6つ子たちをいとも簡単にぶっ飛ばす照英だったが、次の瞬間にはなぜか形勢が逆転されていて、6つ子たちに袋叩きに。そして、今度は十四松と互いの筋肉を見せつけ合い、最終的には照英が鼻から火を吹きながら空に飛び立っていき、その姿に感動した(?)6つ子たちが「照英兄さ〜ん」と泣きつき一件落着。まさにトト子のセリフにあるように、「なんで!?」というカオスな流れであった。

 第3話では「げんし松さん」から始まり、原始時代×ど下ネタを上手く掛け合わせ、頭の悪い下品なギャグをこれでもかと連発する。セリフ自体は「ウホッ」しかないものの、映像でしっかりと表現してくるから、秀逸だ。

 また、次の「チョロ松と一松」では、確かにこれまで中々目にすることがなかった組み合わせ、“チョロ松と一松”がもし二人きりになったらどうするのかが描かれていた。一松が「何喋っていいか、わかんない。別に嫌とかではないけど……」と心で思っていたように、二人の間にはなんとも言えない気まずさが漂う。だからこそ、チョロ松と一松が心に秘めていたことを、思わず漏らしすぎてしまう感じが面白い。

 複数人の仲よしグループの中で、何かのきっかけで急に二人きりになってしまったとき、何を話せばいいかわからなくなるという体験をしたことがある人は少なくないはずだ。間が怖くて思わず言ってはいけなかったことを口走ってしまう。そして、その秘密の話を共有したことにより、心の距離感が縮まったように錯覚するが、それはほんの一瞬ですぐに離れていく。そう言った心の距離感をチョロ松と一松の物理的な距離感でしっかりと表現されていたように思う。ソワソワ感含め実にリアルだ。

 そんな人間の心理をはじめ、現代の若者、Instagram、アイドルなど様々なものを大胆かつお茶目に皮肉って消化していくのだから、ある意味ではスマートな笑いなのかもしれない。もちろん、ハロウィン文化という季節感も忘れずに、何気なくぶっこんでくる。(文=戸塚安友奈)