ドジャースのジャスティン・ターナー【写真:Getty Images】

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カブス戦サヨナラ弾を好捕、54歳の“本塁打キャッチの天才”に脚光「一流の振る舞いだ」

 米大リーグのポストシーズンはドジャースが無傷の5連勝。15日(日本時間16日)のカブスとのリーグ優勝決定シリーズ第2戦は9回に主砲ジャスティン・ターナーがサヨナラ3ランを放つ劇的な幕切れとなった。この時、中堅左に飛び込んだホームランボールを男性が見事に捕球。球団公式ツイッターも動画付きで紹介していたが、2年間で実に18本も客席でキャッチしていた“捕りすぎ元警察官”の粋な計らいが大きな話題を呼んでいる。

 全米がクギ付けのシーンで“客席の魔術師”が主役になった。1-1で迎えた9回2死二、三塁。ターナーはカブスの抑えラッキーの2球目を完璧にとらえた。打球はドジャースタジアムの中堅方向へグングン加速。そして、超満員の観衆が打球の行方を固唾をのんで見守る中、中堅左の客席でするすると走り寄ってきたドジャースのシャツに短パンの男性が現れた。

 そして、フェンス右側から身を乗り出しながら見事にキャッチに成功。栄光のボールをつかんだグラブを夜空に掲げると、スタンドは歓喜に揺れた。ドジャースの公式ツイッターも男性の歴史的キャッチを動画で紹介。「ナイス・キャッチ、サー」と敬意を表して伝えている。

 実は、この男性、ホームランボールキャッチの天才だった。ESPNでは「ホームランボールをキャッチすることは人生で一度の経験に思える。それでもラッキーだった場合、だ。しかし、生来のロサンゼルス・ドジャースファンの54歳の元警官、キース・ハップにとってはほとんどルーティーンとなっている」と報じている。

今季だけですでに10本、WBC決勝も米国V弾キャッチの“幸運すぎる男”

 記事によれば、2年前から計18本、今季だけですでに10本のホームランボールを捕球。9月には若き強打者コディ・ベリンジャーの球団新人最多タイとなる35、36号を一人でキャッチしたという。この時は記念球を返還。代わりに本人と記念写真をパチリ。「キース、ホームランボールを戻してくれてありがとう」というサイン入りの公式球2個とユニフォーム、バットをもらっていた。

 そして、この日はターナーの感動のサヨナラ弾を手中に収めた。記事によると「私は何も求めなかったんだ」と話し、今回もボールを返却。試合後にターナーと守護神ケンリー・ジャンセンと記念撮影に応じ、自身にとっては“生涯NO1”のキャッチになったという。

「これは自分の人生で最大のキャッチだ。これまで人生最大のキャッチはドジャースタジアムでアメリカが優勝したワールド・ベースボール・クラシックでのイアン・キンズラーの決勝弾をキャッチしたことだと思っていたけれどね」

 3月23日に行われたWBC決勝の米国―プエルトリコで、米国のリードオフマン、キンズラー(タイガース)が3回に放った先制2ランもキャッチ。ハップさんはクーパーズタウンの野球殿堂に刻まれる栄光のボールを寄付しているという。こんな“幸運すぎる男”に対するドジャースの祝福ツイートにはファンから称賛の声が届いている。

ファンから称賛続々「彼と10日間契約すべきだ」「2017年最高のキャッチだ」

「偉大なキャッチだ。ヤバすぎる」
「これは凄いキャッチね。一瞬、JT(ターナー)のホームランよりも感動した」
「彼と10日間契約すべきだ」
「グランダーソンよりも彼を起用すべきだ」
「この男と契約するしかない」
「アメージングキャッチ」
「この男はロックスターだ」
「2017年最高のキャッチだ」
「ロースターに加えるには少し遅かったか」

 さまざまな表現でハップさんを称賛。そして、オークションに出せばプレミア間違いなしの記念球を快く返却した粋な計らいも感動を呼んでいた。

「いいキャッチね。そして、ターナーに返してあげたことも素晴らしい。彼は報われてほしい」
「ワールドシリーズの優勝パレードには彼も同乗させようじゃないか」
「JTに戻したのは一流の振る舞いだ」

 この日、全米の野球ファンが最も多く見たであろうホームランシーン。その裏側で起きたドラマは、名勝負が続くポストシーズンを彩る最高のエピソードとなった。