(写真提供=SPORTS KOREA)

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平昌五輪の開幕を間近に控え、活気づくフィギュアスケート界。

10月20日からはGPシリーズもスタートするだけに、“五輪シーズン”に各選手がどんな演技を見せるのか注目したいが、フィギュアが大きな話題となっているのはお隣・韓国も同じだ。

ただ、韓国ではシニア選手だけでなく、ジュニア選手にも関心が高い。

その一因は、女子シングルに“韓国フィギュアの未来”と呼ばれる選手がいることにある。

キム・ヨナ以来の記録

彼女の名はイム・ウンス。

現在13歳の彼女は、2016年10月に行われたジュニア・グランプリ(GP)シリーズ第7戦ドイツ大会では銅メダルを獲得。

今年9月に開かれたジュニアGPシリーズ第2戦オーストリア大会では、優勝候補と言われた日本の山下真瑚を抑え、銀メダルに輝いている。

ジュニアGPシリーズにおいて2大会連続でメダルを獲得するのは、韓国ではキム・ヨナ、チェ・ダビンに次ぐ3人目の快挙だ。

ただ、惜しくもジュニアGPファイナルへの進出は逃している。

10月に開かれた第6戦ポーランド大会では4位と失速。総合ポイントで日本の紀平梨花(24点)に2点届かず、キム・ヨナ以来のファイナル出場は叶わなかった。

4年ぶりに日本で開かれるGPファイナルで、韓国の新星が舞う姿を見ることができないのは残念だが、それでもイム・ウンスが国内で期待を集めていることは間違いない。

何しろ彼女は今年1月、国内最高峰の大会であるKB金融フィギュアスケート・チャンピオンシップ2017(第71回全国男女フィギュアスケート総合選手権大会)に出場し、シニアの先輩たちを差し置いて優勝している。

しかも、この大会では、総合点191.98点を記録した。韓国女子選手で190点台を突破したのはキム・ヨナ以来のことだった。

彼女は名実ともに韓国フィギュアの“女王”となったわけだ。

韓国ではユ・ヨン、キム・ウンスとともに韓国フィギュアの未来を任された“三銃士”と紹介されることの多いイム・ウンスだが、彼女は三人の中でも一歩抜きんでた存在だと言えるだろう。
(参考記事:韓国に待望の“キム・ヨナ2世”出現も平昌はお預けのワケ

トリプルアクセルに対する野心

彼女について、韓国メディア『聯合ニュース』はこう評価している。

「イム・ウンスは、三人の中でもスケートスタイルがもっともキム・ヨナに似ている。プログラム構成はもちろん、スピード感のある滑りと高いジャンプ、長い飛距離などはキム・ヨナを想起させる。キム・ヨナの一番の長所であった表現力も豊かで、芸術性でも高い点数を獲得している」

上述したジュニア世界選手権では、かつてキム・ヨナが披露した『ミス・サイゴン』をフリーで使っていたことを見ると、イム・ウンス本人もキム・ヨナに特別な感情を抱いていることは間違いなさそうだ。

一方のキム・ヨナも、この大会前には音楽を完璧に理解できるようにアドバイスをしたというから、イム・ウンスに対する期待の高さがうかがえる。

しかも、イム・ウンスは野心的でもある。

浅田真央の代名詞とも言えるトリプルアクセルについては、「すぐにトリプルアクセルや4回転ジャンプなどの高難度ジャンプをすることは不可能です」と前置きしながら、こう話していた。

「まずは、いまやっていることをきちんとやることが大切です。目の前のことを完璧にできるようになったら、高難度ジャンプにも挑戦したいです」

トリプルアクセルと言えば、前出の紀平梨花が14歳にしてトリプルアクセルと成功させたことが話題だが、いつか日韓の有望株が“トリプルアクセル”対決を繰り広げることもあり得るかもしれない。

イム・ウンスは年齢制限によって平昌五輪には出場できないが、日本とロシアが双璧をなしているジュニアにおいて、彼女がさらに存在感を増してくれることに期待したい。

(文=李 仁守)