「引っ込み思案」は痛みが長引く?!痛みには「人の性格」が関係している!

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痛みは人それぞれで違います。痛みを感じやすいタイプか、感じづらいタイプかということを、「痛がり」や「がまん強い人」といった言葉で表すことがあります。しかし、これはウソや仮病と片付けることはできないもので、患者は本当に痛みを感じているのです。今回は、痛みの感じ方が体質だけでなく、環境、性別、性格の違いでも変化することをご紹介します。

体が冷えると痛みが強くなります

体が冷えたときに痛みが強くなり、体を温めると痛みがおさまることがあります。
冷えることで血管が収縮して血流が悪くなり、痛みを強く感じてしまうのです。
また、痛みの悪循環が起きると、そのせいで痛みのある部分が冷たくなり、さらなる痛みを誘発することもあります。つまり、痛みによってその部分の交感神経が高まり、そのために血管が収縮して血流が悪くなり、それが新たな痛みを呼んでしまうのです。

男女でも痛みの感じ方に違いがあります

痛みには、性差があり、女性のほうが「痛みの閾値」(痛みの感じやすさの最小値)が低いため、同じ痛みでも女性のほうが痛みを強く感じるといわれます。ペインクリニックを受診するのは、女性のほうがだいたい2倍くらい多くなっています。月経周期に伴ってホルモンが急激に変化する排卵期や月経開始前後は、体が大きなストレスを受けるため、自律神経の変調をきたしやすく痛みを感じやすくなっています。

女性の「痛みの閾値」が低い理由は……

一生のライフサイクルのなかでも女性は結婚、出産、子育て、子供の自立、親の介護など、大きな変化を経験する場面が多く、体だけでなく、心に及ぼすストレスも強く感じる場面が多くあります。これらの女性をとりまく身体的、社会的な変化・変動が、女性の「痛みの閾値」を低くしている(痛みを感じやすくしている)理由なのかもしれません。

「女性は出産を経験するので痛みに強い?」は本当?

女性は出産を経験するので痛みに強いとよくいわれますが、出産時には、体を守るために鎮痛作用のある内因性のオピオイドが大量にでています。それによって、限界ともいえる陣痛や出産の痛みになんとか耐えられる状態になっているのです。ですから、日常の痛みの感じ方を、出産時の痛みに耐えられることと比較することはできません。むしろ、女性のほうが男性より痛みを感じやすいというデータが報告されています。実際ペインクリニックの患者さんは、女性のほうが多いので、女性は出産を経験するので痛みに強いというのは、間違いといえます。

痛みを気にしすぎると痛みに過敏になります

心配性だったり、細かいことが気になったり、何事にもこだわりの強いような性格の人は、痛みを強く感じたり、痛みが長引いたりすることがあります。それは、痛みだけに固執してしまうからです。痛みばかりを気にしていると、ほんの少し刺激があっただけでも敏感に感じてしまい、そのせいでまた痛みを気にしてしまうという悪循環が生まれてしまいます。

痛みがあっても固執しなければ、普段の生活に近い活動もできます

たとえば、コップに水が半分入っているとき、あなたは「まだ半分ある」と思いますか? それとも「半分しかない」と思いますか?「まだ半分ある」と思える人は、少しでも痛みが軽くなったときに「よくなった」と前向きに考えることができるでしょう。そういう人は、痛みがあったとしても固執しないで、家事や仕事、趣味など普段の生活に近い活動をすることができます。

うれしい、心地よいなどプラスの感情は、痛みを軽くする

うれしい、心地よいなどの感情は、痛みの感じ方を軽くする働きがあります。また、残っている痛みが同じであっても、「少し楽になってうれしい」という気持ちが持てれば、痛みは軽く感じられるのです。積極的に動くようにすると血流がよくなるなどの効果が得られ、その効果で痛みが軽くなるという、いい循環ができあがります。

痛みから気持ちをそらすと痛みを感じにくくなる理由

なかには「仕事中は痛みを感じないけれど、夕方、仕事が終わってほっとしたときにすごく痛む」という患者さんもいます。つまり、「仕事に熱中しているときは痛みを感じにくい」ということです。実際には痛みが軽くなっているわけではありません。何かに熱中しているときは、脳の痛みを感じる部分が働かなくなるのです。そういう理由で、痛みから気持ちをそらすと痛みを感じにくくなります。

引っ込み思案の性格の人は痛みが長引く?

「もともと引っ込み思案」「人と会ったりするのは嫌い」「家でひとりで過ごすのが好き」といった性格の患者さんは、痛みが長引く傾向があります。ひとりでじっとしていることで痛みのことばかり考えてしまいがちで、痛くない時間をつくることができないからです。

ちょっとした痛みでも大げさに表現してしまう「疼痛行動」とは?

軽い痛みでもまわりから大げさに心配されるような家庭で育った人や、痛みがあるときに過剰に大事にされた経験があったりする人は、ちょっとした痛みでも大げさに表現してしまうことがあります。本人は無意識なのですが、痛みを訴えることで「まわりから優しくしてもらえる」「自分にとって好ましい状況でいられる」という思いが心のなかにあるからです。これを「疼痛行動」といいます。

「疾病利得」とは?

また、事故にあってケガをしたときなどは、痛みを訴えつづけているあいだは仕事が休めたり、まわりから心配してもらえたりします。この場合も本人は無意識ですが、痛みを訴えることで自分にとって好ましい結果を得られるため、なかなか痛みがなくなりません。これを「疾病利得」といいます。 

まとめ

いかがでしたか? 
痛みは体質だけでなく、体が冷えたときに痛みが強くなり、体を温めると痛みがおさまるなど環境によって、痛みの感じ方が変化します。さらに、性格の違いで痛みの感じ方が違ってくることをご紹介しました。参考になりましたか?

参考書籍:河手眞理子著『「痛みの名医」が教える 体の痛みがスッキリ消える』(二見書房)

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