「読書の秋」も深まり、何かと本を手に取りたくなる不思議。外もいちだんと寒くなり、一冊の本と暖かい飲み物を持って、部屋でのんびりと読書を楽しむのも大人の嗜みですよね。

普段から何気なく触れている本ですが、読解力はもちろんのこと、実は文章力にも大きな影響を与えているという研究発表を紹介します。

読みとく能力=書くチカラ

昨年の春に、ビジネス研究に関して専門の学術誌「International Journal of Business Administration」にて、フロリダ大学ビジネススクールの研究チームによる論文が掲載されました。曰く、普段から目にしているコンテンツによって、文章表現能力に差が出るというのです。これ、成人してからも。

研究を端的にまとめると、MBAの学生65人を対象に、日常よく読むコンテンツのアンケート調査と、各自のライティングサンプルを照合し精査。ミステリー、 SF、ファンダジー、ノンフィクション、純文学、学術書に至るまで、本のジャンルは問いません。

結果、ダントツで好成績を収めたのは、純文学、ノンフィクション、学術書の読者たち。これに対し、ミステリーやファンタジー好き、ネットのブログやスレッド中心の学生は成績が低かったのです。読んでいるコンテンツの内容が、少なからず彼らの文章に反映されているようで、とても精巧で洗練されている、と高評価を受けたのは前者。

このような読解力と文章力の関係性の研究は初等〜中等教育の発育途中の学生を中心に、読み書きの教育の重要性を強調していきました。ですが、今回の研究が示したのは、基礎教育を終え、成人してからでも、同じような大きな影響があるという事実。

つまりは、大人になってからでも、良い文章を目にするほど、良い文章で表現する能力も上がると証明されたのです。小さなサンプルの研究結果ではありますが、なんとなく納得してしまいませんか。例えば、話し方がうまかったり、説得力がある人は、普段からよく本を読んでいる人だったり。それはただ単に、知識だけの問題だけではなく、表現の知性やセンスも磨かれるのではないのでしょうか。

日々の読む文章で
私たちは成長する

私たちは日々、この世に溢れている“文章”を消費しています。新聞、ネット情報、ソーシャルメディア、電車のつり革広告など、思ったより目にして生活しています。つまりは、食事と同じように、読んだ“文章”によって私たちは成長してるのではないのでしょうか。

知性を磨くのにゴールはありません。読書の秋だからこそ、まずは話題の長編にチャレンジしてみるとか、普段はあまり手にしないジャンルをあえて選んでみてはいかがでしょう。読解力も文章力も、日々の会話、メールのやりとり、プレゼンにも、冬には一段と磨きあがった効果が表れるかもしれません。

Reference:International Journal of Business Administration