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JR西日本は16日、「電柱ハンドリング車」を報道公開した。西日本電気システム(JR西日本グループ)とタダノが共同開発した新しい電柱建替車で、国内の鉄道業界では初めて、電柱を直接つかむ「ハンドリング技術」を採用した。「電柱ハンドリング車」の導入により、電柱建替作業の効率化と省力化が期待されている。

「電柱ハンドリング車」は従来のクレーン車と比較すると、3つのメリットがある。1つ目は吊り金具の取外し・取付けといった高所作業が不要になること。クレーンだと、電柱を吊り上げるために吊り金具を取り付ける必要があったが、「電柱ハンドリング車」は直接、アームが電柱をつかむため、吊り金具を取り付ける必要がない。

2つ目は電柱の移設作業を省けること。従来のクレーンは高さがあり、架線との接触が避けられない。そこで電柱取替作業の際、クレーンとの接触を防ぐために架線の移設作業が行われる。一方、「電柱ハンドリング車」のアームは高さが低いため、架線との接触の心配が少ない。3つ目のメリットは横揺れに強いこと。クレーン車は電柱を吊り上げるため、強風が吹くと、電柱が横揺れする危険性がある。「電柱ハンドリング車」はアームでしっかりと電柱をつかめることから、風などで電柱が揺れる心配も少なくなる。

この日の報道公開では、「電柱ハンドリング車」を使った電柱移設作業のデモンストレーションが行われた。地面に置かれてあった電柱をアームがつかむところから始まり、電柱を持ち上げ、横にスイング。横に電柱がスイングした瞬間は一瞬、腰が引けた。その後、器用に横向きの電柱を縦向きに変え、用意されてあった穴に電柱を入れた。

10分ほどかけて一連の作業が行われ、その動きは非常にスムーズで静かだった。まるで自動車工場に導入されているロボットアームのようだ。なお、実際の作業では、踏切まで一般道を走り、踏切から作業箇所まで線路を自走することになる。

「電柱ハンドリング車」を導入することで、作業時間が従来の75%に圧縮される。いくつかの作業が不要になるため、人員を減らすことも可能になる。JR西日本としては、少子高齢・人口減少社会を見越し、より安全で効率的な作業を押し進める狙いがあるとのことだった。

報道公開が行われた10月16日から教育訓練が始まり、その後は順次、JR西日本管内の在来線の電柱建替作業に「電柱ハンドリング車」が使用される予定となっている。