テーマパーク「レゴランド・ジャパン」(名古屋市)のハンバーガーセット(1350円)について、実際にレゴランドに行った人がアップした写真よりも“貧相”に見える写真がSNSで拡散。その真偽を巡って、「これで1350円ってマジか…」などの議論が交わされ、「わざわざレタスやソースを抜き、ポテトの量を減らしてから意図的に撮られたもの」とする“検証記事”も紹介されました。レゴランドについては、今年4月のオープン以来、「水筒持ち込み不可」「子供同伴のみ入場可」などの風説が流布していました。

情報がデマなら信用毀損や不法行為に

 ハンバーガーセットの写真の真偽は定かではありませんが、実際の商品やサービスとは異なる情報を拡散し、その商品や企業にネガティブなイメージを与える行為に法的問題はないのでしょうか。弁護士の牧野和夫さんは次のように話します。

「刑法233条の信用毀損罪にあたる可能性があります。信用毀損罪とは、虚偽の風説を流布し、または偽計を用いて人の信用を毀損する犯罪で、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます。また、上場企業の株価に影響を与えようとしてデマ情報を流した場合は、金融商品取引法第158条の『風説の流布』にあたる可能性があります。これに違反すると、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金に処せられます」

 それでは、民事上の責任についてはどうでしょうか。

「競争会社に損害を与えようしてデマ情報を流した場合、不正競争防止法第2条1項十四号『競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、又は流布する行為』にあたり、損害賠償責任を負う可能性があります。また、競争会社に損害を与える目的ではなく、一般人が単にその会社に損害を与えることを意図して、または不注意でデマ情報を流して実際に損害を与えた場合は、民法709条(不法行為による損害賠償)にあたり、損害賠償責任を負う可能性があります」

裁判例が公表されていない理由は

 しかし、牧野さんによると、今回のレゴランドのようなケースで裁判例が公表されているものはありません。その理由の一つは、書き込みが匿名やペンネームで行われていると、相手を特定するのに時間と費用がかかるため、企業としても裁判まで行うことはないと考えられるから。悪質な場合は法的措置も考えられますが、裁判ではなく水面下で和解がなされている可能性があるそうです。

「デマを流された企業は、デマを流した個人に対して民事上、刑事上の法的措置を取ってしかるべきですが、裁判になると、『あの企業は個人を相手に裁判をやっている』という事実が明るみに出て、お客さんになる可能性のある一般人を敵に回すことにもなります。よほど悪質なケースでない限り、企業側が法的措置に訴えることは考えにくいのです」

(オトナンサー編集部)