神輿を担ぐ豊田真由子

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 悪名は無名に勝る。政界の名言のひとつである。無名の自民党2回生議員だった豊田真由子氏(43)は、ここ3カ月で一気にその名を轟かせ、全国区の知名度を獲得した。だが、彼女のような超悪名でも無名に勝るのだろうか。答えはもちろん……。違うだろーっ!

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 10月1日午前10時、埼玉県の朝霞駅前に姿を現した豊田氏。事実上の選挙戦がスタートし、連日、彼女は地元の埼玉4区内を回っているのだが、駅前で開かれていたイベントに参加していた主婦に声をかけても対応してもらえずにいた。だが代わりに、その女性の6歳になる娘が無邪気にこう言ってかまってあげていた。

「あっ、ハゲのおばちゃんだ!」

 子どもはいつでも正直である。

神輿を担ぐ豊田真由子

「ハゲのおばちゃん」こと豊田氏は、目下、自動車会社を凌ぎ「日本一有名なトヨタ」となっている。6歳の子まで彼女の顔を知っていることがそれを物語るが、無論、彼女の場合、知名度と人気は反比例状態で、

「豊田さんは、朝霞、志木、新座の駅前で街頭演説を続けていますが……」

 と、埼玉4区在住の県政関係者が哀れむ。

「地名度が上がったせいで、人が集まることは集まってくる。でも、彼女のことが怖いのか、皆ちょっと遠巻きに眺めていることが多い。そんな『離れた聴衆』に、豊田さんは何とか近づこうとする。すると、彼女を避けようと聴衆の人波が割れるんです。十戒で知られるモーゼの『海割れシーン』を髣髴(ほうふつ)させる光景でした」

街頭で演説する豊田真由子

 しかも、こうした「モーゼシーン」が何回も繰り返されるのだという。それでも豊田氏はめげず、

「聴衆の中にいる子どもに目をつけて、その子に近づき、ついでに強引にその親との握手に持ち込む戦術をとっていました」(同)

ライバルから逃走

 逞(たくま)しさと厚顔無恥さは髪一重、いや紙一重であるが、一方でこんな気弱な姿も見せている。やはり1日に、

「豊田さんは新座市菅沢の集会所での敬老会にやって来たんですが、先に対抗馬の吉田芳朝(よしのり)さん(民進党系候補)がいて、彼の姿を見た彼女は走って自分の車へと逃げてしまいました」(民進党関係者)

 それもそのはずで、豊田氏は男性政策秘書に対して、

♪でも名簿が勝手にコピーされて〜

 なぜか〜

 吉田の事務所に送られちゃったんですううううう〜

 と、勝手に彼を吉田氏のスパイ扱いする事実無根の「ミュージカルいびり」(本誌「週刊新潮」6月29日号既報)をしていたのだから、吉田氏に合わせる顔がなかったのだろう。

 同日夕方、和光市内の神社で、子どもたちの「このハゲ」コールに包まれながら有権者と神輿を担いでいた豊田氏に心境を尋ねると、

「みんな、『待ってたよ!』と言ってくれます」

 と、強がるのだった。確かに、駅前でも神社でも子どもたちからの「人気」は絶大だったが、嗚呼(ああ)残念、彼らには選挙権がない……。

 メッキがハゲた豊田氏には今、取り返しようのないハゲしい後悔が襲いかかっているに違いない。

「週刊新潮」2017年10月12日神無月増大号 掲載