2019年10月に消費税を10%に引き上げることを表明している安倍総理ですが、野党はこれに反対。22日に行われる衆院選の大きな争点にもなっています。無料メルマガ『マスコミでは言えないこと』の著者でITジャーナリストの宮脇睦(みやわき・あつし)さんはこれを受け、マスコミが騒ぐ「増税しなければ国家が破綻する」という論調について、疑問を呈しています。

1分でわかる「財政破綻」が嘘である理由

外交と安全保障について歴代政権では抜群で、総論で言えば合格点がつけられる安倍政権ながら、事実上の移民受け入れ政策など論外ですし、経済政策については赤点が目立ちます。野党が本物の政治家ならば、穴だらけといってもよいのですが、彼らはポンコツ。というより、生活のためだけに政治家という身分を求めている連中。つまり、選挙活動は「就活」に過ぎません。

話を安倍政権に戻せば、平成31年に予定される「消費税増税」を延期しないことを選挙公約としていることに背筋が凍る思いがします。そしてテレビや新聞では「増税しなければ国家が破綻する」と喧伝されます。破綻するぐらいなら増税も仕方がない、借金は減らさなければならない、という結論で結ばれます。

選挙期間の名物です。有権者に良い顔をしたい政治家は、減税を口にしたがるのですが、それを牽制するために、財務省が息のかかったエコノミストや経済評論家、ジャーナリストに命令を出し、「国家破綻」を喧伝します。

しかし、これは「増税財務省の嘘」です。その理由を「1分でわかる」ように解説してみます。なお、消費増税を打ち出している安倍自民党ですが、選挙戦を通じて「増税反対」の議論が深まり、世論が高まれば、「国民の声」に応じて政策変更するのが自由で民主的な自民党です。いずれにせよ、マスコミにはびこる財務省の嘘は知っておくべきでしょう。

細かな数字は脇に置いて、日本の借金は1000兆円とされます。一人当たり800万円となり、一般家庭に置き換えて、給料が40万円なのに90万円を使っていて、1000万円の借金がある。だから破綻する。このように脅す説明では「日本の資産」については触れません。

無駄な支出は減らすべきですが、日本にはザックリといって700〜800兆円の「資産」があります。そして「借金」という表現をするなら、これを差し引きした金額でみるのが民間企業の会計や、融資の時の基準です。

つまり、日本の借金なるものは200〜300兆円で、それでも大変な金額ですが、世界基準で見れば、決して突出した数字(割合)ではありません。

まず、これが基礎知識。1000兆円の借金と切り出した時点で「嘘」と思って間違いないでしょう。これだけでも「知ったかぶり」できますが、ここから先も常識的な話ながら、あまりメディアで紹介されない事実です。それは「借金」の中身についてです。これも語弊を怖れずザックリと1分で説明します。

借金といえばサラ金や銀行からの借り入れをイメージしますが、日本国の借金の大半は「国債」によります。これを買うのは国民や国内企業・金融機関です。わかりやすく例えれば、親が子どもから金を借りているようなものです。

つまり家庭内でお金が循環しているということで、これで家計が破綻した事例などありません。

一方、ギリシャショックがなぜ起こったかといえば、ギリシャの国債を買っていたのは外国人で、それが「こいつら金を返せなくなるぞ。いまのうちに売りさばいて逃げろ」と見切り売りされて「大暴落」となったのです。

もうお気付きですね。増税しなければ国家が破綻する、とは嘘です。机上の空論ではなく実例があります。これは1分もかからない話。

今年の4月(平成29年)に予定されていた8%から10%の増税は延期されました。マスコミが煽るように、今日や明日にも財政破綻するなら、国債価格は暴落し、高い金利をつけなければ誰も国債を買ってくれなくなります。

果たしてそんな報道に触れたでしょうか。増税延期しても、日本の国債は信認され、発行通貨の円にしても多少の上下はあっても安定しています。これはいま起きている事実です。暴落なんかしていません。

ここまでの話は、マクロ経済学など難しい学問以前の話です。学歴がなくても一般的に商売をしていればわかることです。それなのに、どうしてマスコミはこれを語らないのでしょうか。彼らがバカという説もありますが、よくいわれるのが「財務省の陰謀」という説です。

状況証拠に溢れていますが、あくまで陰謀論と断った上での1分解説です。

旧大蔵省から現在の財務省まで、お金の出入りを握ることで絶対的な権限を手にしています。そこから「省庁のなかの省庁」と怖れられていますが、彼らにはビジネス的感覚がありません。

税金という法律さえ作れば自動的にお金が入る仕組みしか知らないからです。だから、法律をつくり増税して、帳簿上の借金を埋めようとするといわれています。

財務省とは会社でいえば経理部門のようなものです。経理には経理の理屈があり、彼らが職務に忠実になればなるほど、杓子定規に「規律」を求めます。現場のことなどアウトオブ眼中です。本来は彼らを仕切る政治家も、「政治と金」では後ろめたさもあるので頭が上がらず野放しになっています。

また、「徴税権」というスーパーパワーをもっており、財務省にちょっとでも批判的な報道をすると「税務調査」に入られるという都市伝説もあります。もちろん、都市伝説です。

概ね陰謀論です。話半分に受け止めてください。しかし、こうした理由でもなければ「借金で破綻する」という珍説がここまで広まることも説明がつかないのも事実です。

最後に「増え続ける借金」についても「嘘」だと1分でまとめてみます。

そもそも家計と国家の財政を同一に見ることが間違いです。会社員でも自営業でも頑張ったからと、確実に給料が増える約束はありませんし、物価を操ることなどできません。30万円の給料は30万円のままです。

一方、国家は通貨の供給量を増やす、簡単に言えば紙幣をガンガン印刷すれば物価を操作できます。もちろん、闇雲にそんなことをすれば、誰も通貨を信用しなくなりますが、可能な限りで行う、これがザックリいうところの「金融緩和」です。アベノミクスの構成要素です。

例えば日本全体にある通貨・紙幣が100兆円だとします。これが110兆円に増えたとして、その他の物品や土地が比例して増えることはなく、同じ分量ですから、価格だけが1割上がることになります。もう少しかみ砕けば、100円で買えるお菓子の数が減るということです。

これが「インフレ」という状態で繰り返せば、「タンス預金」の価値はどんどん目減りしていきます。それと同時に国の借金も減っていきます。つまり、アベノミクスが目指すインフレ目標が成功し、安定軌道にのれば毎年のように実質の借金が減っていくのです。

つまり、赤字が続く限り借金の額は増えますが、通貨供給量を増やせば実質の借金は減っていくのです。

最後といいながらもう少し続けます。実はこれ「昭和時代」の会社員の多くが経験していることです。

昭和時代の住宅ローンは15年ほどで、長くても20年程度でした(親子ローンを除く)。35年ローンは21世紀に入っての「金融緩和」からです。昭和時代の会社員が20年でローンを完済できた理由は、経済成長にあわせて給与が上がったことに加えて、「インフレ」だったことから、「借入残高」が毎年目減りしていったからです。

昭和時代は月単位で物価が上がり、決して生活は楽ではありませんでしたが、昇給と目減りというボーナスが、マイホーム取得を可能にしたのです。

そして実はここにも「陰謀論」があります。これは酒場で語るトリビア程度の、具体的な論拠のない話ですが、先と同じく「状況証拠」だけはあるので1分で紹介します。

インフレの反対の「デフレ」では、実質的な借金は増え続けます。先のインフレの逆の現象です。つまりは何もしなくても「預貯金」が増えるということです。

いまはドンドン下がり続ける年金支給額ですが、それでも民間の給料のように激しく上下することはなく、また、景気の影響が少ない職業、つまりは公務員にとっても、物価が下がることで実質賃金が増える「デフレ」は悪くない経済環境です。

まして増税しますと法律に書けば、あとは金が入ってくるのを待つだけで、増税により企業収益が悪化しても、それは民間企業の話ですし、民間企業が予定していた売り上げを達成できなければ赤字となり、最悪の場合、給料が貰えなくなりますが、予定していた税収がなくとも公務員の給料が減らされることはありません。

これがデフレを放置しながら、増税を目指す理由。と、元財務官僚のジャーナリストなどが言っています、と他人のせいにして筆を置きます。

image by: 首相官邸

出典元:まぐまぐニュース!