当たり前だが砂糖の摂取はほどほどに

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近年、糖分が多い食事による健康へのネガティブな影響を示す研究が多数発表されている。

とはいえ、食習慣から受ける影響は長年の蓄積によるもので、ほんの数か月程度で何か問題が発生するわけがない――。そんなイメージを打ち壊す研究結果が、2017年9月18日に英サリー大学の研究チームによって発表された。

健康な人でも高糖分食をわずか3か月続けるだけで、心血管疾患リスクが上昇するというのだ。

健康な人の脂肪代謝もみるみる悪化

英国生化学学会誌「Clinical Science」電子版に掲載された論文を見てみると、そもそも研究の目的は高糖分食が「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」に与える影響を分析することだった。

NAFLDは肝臓に慢性的な炎症が起きている状態、つまり脂肪肝のことで、放置しておくと「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」となり、さらに肝硬変やがんとなる可能性もある。肥満や2型糖尿病患者に多い疾患だが、運動不足や脂質異常を持つ人も発症することがある肝臓の病気だ。

サリー大学のブルース・グリフィン栄養代謝学教授をはじめとする研究チームは、NAFLDと診断された40〜60代の男性11人と、健康な40〜60代の男性14人を対象に、さらにそれぞれを無作為に2グループに分類。

一方のグループは1日の摂取カロリーに占める砂糖が6%の「低糖分食」、もう一方は26%が砂糖の「高糖分食」を食べ、脂肪の代謝や血中濃度、肝臓の脂肪量を分析するという実験を行った。

低糖分食も高糖分食も、総カロリーは英国人男性の平均的な摂取量である約2500キロカロリーに設定され、当然だがカロリー量で差はつけられていない。

12週間(約3か月)経過したところで4グループの健康状態を比較してみると、NAFLD患者で高糖分食を食べた人は、低糖分食の人に比べ脂肪代謝が悪化しており、肝臓の脂肪量も増加していることが確認された。

NAFLD患者での変化はある程度予想されていたことだったが、健康なグループでも高糖分食を食べた人はNAFLD患者と同レベルにまで脂質代謝が悪化し、肝臓に脂肪が蓄積し始めていることがわかったのだ。

若年層に砂糖摂取過多のリスクあり

代表的な心血管疾患のひとつ、「アテローム性動脈硬化症」は「プラーク」と呼ばれる脂肪性沈着物が血管の壁に蓄積して血流を制限することで発症し、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす。

そして、NAFLD患者はアテローム性動脈硬化症発症リスクが特に高いことがわかっている。つまりNAFLDになるということは、心血管疾患リスクが高いことも意味するのだ。グリフィン教授も、

「私たちの研究は大量の糖分を摂取することで、たとえ健康な人でも心血管疾患のリスクを高める可能性のある脂肪代謝の問題を起こす可能性があるという新しい証拠を示すものです」

とコメントしている。ちなみにグリフィン教授によると、今回の実験における高糖分食はかなり極端な例で、一般的な成人が実際の食事でここまで大量の砂糖を消費する可能性は低いようだ。

しかし、加糖飲料を好む人や間食回数が多い人、一部の子どもや若者にはリスクがあると指摘していた。