仙台の選手たちは逆転負けに落胆の表情を見せた。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1リーグ29節]川崎3-2仙台/10月14日/等々力

 仙台はルヴァンカップ準決勝で川崎に2戦合計4-5で敗れ、リーグで再戦を迎えた。渡邉晋監督は「リベンジとか俗っぽい言葉は嫌。それ以上のものを見せたい」と意気込むと、上々の入りを見せる。
 
 前半は走行距離で約2キロ、パス本数は130本ほど上回り、ボール支配率も54パーセントと、川崎を相手に“ポゼッション”で圧倒した。さらに、42分に川崎に退場者が出て、その直後に先制点も奪った。
 
 その前半については指揮官も「前半は1-0以上にチャンスはあったし、相手に退場者が出たのも偶然ではない。我々がああいうプレーをしたからこそ引き起こした」と自賛した。
 
 後半に入っても、60分に蜂須賀孝治のクロスから石原直樹がヘディングを沈め、追加点を挙げた。10人を相手に2点差をつけたのだから、白星を手中に収めたと思えた。
 
 しかし、82分に川崎のエウシーニョに豪快弾を決められると、等々力の怒涛の逆転ムードに呑み込まれ、84分、87分に小林悠にミドルシュートを浴びて逆転負け。まさに、”魔の5分間”と言える展開に、渡邉監督は「理解しがたい結果」、センターバックの大岩一貴も「気持ちの整理がついていない」と落胆の表情を隠せなかった。
 
 退場者が出たこともあり、試合後のスタッツでも仙台はポゼッション率で54パーセントと川崎を上回っていた。だが、川崎からレンタル移籍の身である仙台の中野嘉大は、語気を強めてこう言う。
 
「ボールを保持するというか、結局は相手が本気で取りに来た時に、保持できてない。だから、それはボールを保持できていないということ。持たされている。前半とか小手先ではできたかもしれないけど、(後半に)10人でも本気で相手が取りに来た時に、何もできていない。チームとしてもボールを持つことがすべてではなく、自分も含めて守備のところでも最後やられている。こういうことをしたら勝てないので反省したい」
 
 後半の戦いについては指揮官も次のように悔しさを滲ませる。
 
「ハーフタイムで(後半は)慌てずにボールを動かして攻めようと話をし、背中を押して送り出した。ただ、それがあまりにもゴールに向かわない。意識も、動きも、パスも。ああなると、引っかけられるのは横パスで、カウンターの餌食になるのは当たり前。横パスだけは引っかけるなという話をしたが、なぜあそこまでプレーが後ろ向きになったのか一番理解しがたい」
 
 もちろん、2得点は3-4-2-1に布陣を変更し、今季から本格的に取り組んでいるポゼッションスタイルの成長の賜物でもある。それでも、90分を通して考えれば、仙台のポゼッションサッカーは前述のように「小手先」であり、「ゴールに向かっていない」。格上相手に健闘したとも見てとれるが、ふたりの言葉を噛みしめて、この悔しい敗戦を糧にしてもらいたい。
 
取材・文:志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)

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