米の石炭火力発電が2015年以来の閉鎖ペースに。ホワイトハウスの後押しも採算性は改善せず

米国のトランプ政権は環境負荷の低いクリーンエネルギーの普及を停止させ、19〜20世紀スタイルの化石燃料を復活させるとしていましたが、業界はその恩恵に預かることもできないほどくたびれてしまっているようです。電力会社のLuminant(旧TXU Power)は、2018年の1〜2月に3つの主要な石炭火力発電所を閉鎖すると発表しました。3発電所合計の発電能力は約400万世帯分、4200MWにのぼります。そして、これにより2018年に予定される石炭火力発電所閉鎖の規模はすでに合計1万3600MWに達し、2017年にすでに閉鎖した規模を上回りました。

このペースは、過去最高だった2015年の合計1万8000MWに迫る勢い。まだ生き残っている発電所もいつ閉鎖になってもおかしくない状態にあると言えそうです。

Luminantは相次ぐ石炭火力発電所の閉鎖の理由は再生可能エネルギーの「過剰供給」だとしています。再生可能エネルギーの過剰供給が良いことなのか悪いことなのかはその味方によって変わるはずですが、その他にも天然ガスや卸電気業者の安売り圧力が、影響したことも付け加えています。

ただ、石炭火力発電所は長らく不採算事業だったものがほとんどで、もとから事業としての体力はあまり残っていないと考えられます。オバマ時代の環境政策にちゃぶ台返しをかました現ホワイトハウスの取り組みにも関わらず、これら閉鎖の動きが加速するということは、もしかすると現ホワイトハウスが見ているところと現実に物事が起こっている方向にズレがあるのかもしれません。

再生可能エネルギーの推進をやめれば、CO2排出量の削減スピードが減速するのは致しかたないものの、一方で化石燃料によるエネルギープラントが財政的に生き残れず消滅していくのであれば、それは結果的に再生可能エネルギーの比率を向上させる結果にもなりそうです。