室屋義秀【写真:Getty Images】

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今季最終戦で4勝目、ソンカを上回り悲願のワールドチャンピオンのタイトルを獲得

 小型プロペラ機を使用したモータースポーツ「レッドブル・エアレース」の最終第8戦が15日(日本時間16日)に行われ、室屋義秀が今季4勝目を挙げて日本人初の年間総合チャンピオンに輝いた。開催地の米インディアナポリスは、今年5月にレーシングドライバーの佐藤琢磨が世界三大レースのひとつである「インディ500」で日本人初、アジア人としても初の優勝を果たした地。会場となったインディアナポリス・モーター・スピードウェイには佐藤も駆け付け、喜びを分かち合った。

 レッドブル・エアレースは、世界最高峰の飛行技術を持つレースパイロットが、最高時速370キロ、最大重力加速度10Gの中で、操縦技術の正確さ、知力、体力、そして精神力の限りを尽くしてタイムを競う。国際航空連盟(FAI)が公認する三次元モータースポーツで、“空のF1”とも呼ばれる飛行機レースの世界大会だ。

 ファイナル4の一番手で登場した室屋は、トラックレコードを1秒以上更新する1分3秒26をマーク。シリーズランキングで首位を争っていたマルティン・ソンカ(チェコ)が4位に終わったため、4ポイント上回る形で悲願のワールドチャンピオンの座に就いた。

 アジア人初のワールドチャンピオン誕生。しかも、会場にはインディ500で日本人初、アジア人としても初の優勝を果たしたレーシングドライバーの佐藤が駆け付けたとあって、日本のみならず、世界からも多くの注目が集まった。

レース会場も公式サイトで室屋を祝福「感情的に衝撃を与えた」

 会場となったインディアナポリス・モーター・スピードウェイは、公式サイトで「サトウはムロヤを激励し、レッドブル・エアレースの世界タイトルでの日本の歓喜を分かち合った」と特集。「感情的に衝撃を与えたヨシヒデ・ムロヤは歓喜の涙を拭った。歓喜に湧くタクマ・サトウは、彼自身の歓喜を再体験するかのごとく、自分のことのように腕を高く挙げた。彼ほどレッドブル・エアレースを楽しんだものはいない」と2人の様子を描写している。

 大会覇者の室屋は、レース王者のみ許される「ブリックヤード」へのキスの権利を獲得。インディ500で優勝した佐藤も今年5月に同じ場所で同じことを体験しており、“運命的”な巡り合わせに想いを馳せていた。

 記事によれば、室屋は佐藤について「彼は内に壮大なエネルギーを秘めている。初めてお会いした時も、本当にパワフルな感情を感じた。それは多大なモチベーションを示していた」と話し、一方の佐藤も「信じられないです。私たち2人が同じ年に同じ場所でなんて! 僕は本当に今日を誇りに思う。僕らは陸と空を制してみせた」と語ったという。

 2017年10月15日――。モーターレース界に新たな歴史が加えられた日は、人々の心に深く刻まれるだろう。