トランプ大統領がユネスコ脱退を表明した。TPPからもパリ協定からも脱退して、国際社会におけるプレゼンスを失っていくアメリカに習近平は高笑い。いよいよ中国覇権の世界が来る。世界遺産も思いのままだ。

米がユネスコ脱退――習近平への何よりのプレゼント

12日、トランプ大統領がユネスコ(国際教育科学文化機関)から脱退すると発表した。アメリカ・ファーストを唱えるトランプは、TPP(環太平洋パートナーシップ)からも気候変動対策に関する国際社会の合意「パリ協定」からも離脱し、今度はユネスコからの脱退を宣言。これから米議会にかけられて採決を得たあと来年末からの発効となる。議会を通るか否かは、まだ何とも言えない。

脱退理由としては、アメリカの同盟国であるイスラエルに対する偏見が続いていることなどを理由にあげているが、分担金の多さも大きな理由の一つだ。

ユネスコ加盟国の分担金の分担率は、2014年度データで、以下のようになっていた。

    1.アメリカ:22.00%
    2.日本:10.83%
    3.ドイツ:7.14%
    4.フランス:5.59%
    5.イギリス:5.14%
    6.中国:5.14%

などである。

ただしアメリカは2011年にパレスチナがユネスコ加盟国として正式に認められたことをきっかけに分担金の支払いを停止した。したがって脱退は時間の問題だった。

結果、事実上は日本の分担金が最上位になっているのだが、それなら日本に有利に働いているのかというと、そうではない。

たとえば中国が申請して「世界遺産」として登録を認められた「南京大虐殺」。

根拠も明示しないまま登録され、中国はさらに「慰安婦問題」も登録しようと懸命だ。このような中国が政治的に思うままに振舞うようになってしまったユネスコに、なぜかくも大きい比率で日米が分担金を払い続けるのかということは一考に値する問題である。

遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)