さつまいもを食べるとおならが出る理由

写真拡大

食欲の秋がやってきた。秋の味覚といえば焼きいもを思い浮かべる人もいるだろう。甘くておいしいさつまいもだが、食べると気になるのがおならではないか。「教えて!goo」にも「さつまいもを食べるとおならもたくさんでるの?」という質問が寄せられていた。皆さんも一度は耳にしたことがある、さつまいもとおならの関係は本当なのだろうか? 本当なら、そのメカニズムは? 一般財団法人いも類振興会の理事長である鈴木昭二さんに話を聞いた。

■さつまいもを食べるとおならは出やすくなる

まず「さつまいもを食べるとおならは出やすくなるのか?」という疑問の解明だ。

「さつまいもの主成分はデンプンで、そのデンプンのおよそ30%は糖が鎖状につながったアミロースです。このアミロースは消化酵素では70%くらいまでしか体内に吸収できる糖に分解されません。その分解されなかったアミロースは大腸の細菌によって分解されますが、その際に出るガスがおならのもとになるのです」(鈴木さん)

つまりさつまいもを食べるとおならが出るという説は、都市伝説ではなかったのだ。

「おならは腸のぜんどう運動によって肛門まで運ばれます。腸のぜんどう運動とは、腸内の内容物(うんち)を運ぶために収縮、弛緩をくり返す腸の動きのことです。腸内の細菌には善玉菌といわれているビフィズス菌と、成人病の大敵で悪玉菌といわれているウエルシュ菌などがあるのですが、さつまいもを食べるとビフィズス菌が増加します。すると腸内環境が改善され、ぜんどう運動も活発になることが知られています」(鈴木さん)

さつまいもを食べるとガスが発生しやすくなり、さらにおならを出す腸の動きも活発になる。よっておならが出やすくなるというわけだ。

■さつまいものおならはにおわない

おならが出やすくなるなら、さつまいもは少し控えようかな……という人もいるかもしれない。でも、それはちょっと待って欲しい。実はおならには重要な役割があるのだ。

「おならを人前でするのは恥ずかしいという気持ちはわかりますが、自分の体が健康であることのシグナルでもあります。おならが出るということは、腸が活発に動いていることを示しており、胃腸などの消化器官の手術後には、おならが出たら無事に手術が成功したと判断されることもあるほどです。特に便秘に悩まされている人にはさつまいもがおすすめです。何よりもウエルシュ菌が分解したおならはひどい臭いがしますが、ビフィズス菌によるおならは健康的で、臭いをまき散らすことはありません」(鈴木さん)

おならが臭いか臭くないかでも、自分の体の健康度合いを知ることができるのだ。

■おならがでるのはさつまいもを食べてから半日以上あと

においがそれほどしないのであれば、残る問題は音だ。たとえば重要な会議中に、「プゥ〜」と音を出してしまうのは避けたい。職場でランチや休憩時にさつまいもを食べることはやはり断念すべきなのか。

「この問題は個人の体質や体調などによる差が大きく、一概にさつまいもを食べてから何時間後におならが出るとはいえないものです」と鈴木さんは前置きしつつ、こう続けた。

「おならのもとになるガスは腸内でアミロースを分解するときに出るため、食べてすぐに出るということはないと思います。習慣的にさつまいもを食べているケースは別として、今、口にしているさつまいもが、いつおならの原因になるかといえば、半日以上はかかるでしょう」(鈴木さん)

心強いアドバイスを得ることができた。おならを気にせず、ぜひ秋の味覚たるさつまいもを存分に楽しんでいただきたい。

●専門家プロフィール:鈴木 昭二
一般財団法人いも類振興会理事長。いも類振興会はサツマイモなどのいも類の生産、流通、加工の改善および消費拡大などの事業を行っている。主な出版物に『焼きいも事典』、『干しいも事典』、『いも類振興情報(季刊)』などがある。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)