新車時の価格では到底手の届かないクルマを狙える

 中古車というものは基本的に年式に比例して価格は安くなるもの。もちろんクラシックカーの領域まで古くなってしまえば話は別だが、おおよそ10年〜15年落ちくらいのモデルはほとんどの場合、現在が底値と言えるほど安い価格で流通している車両が多いはずだ。

 もちろん、年式が古く、走行距離もかさんでいるから安価ということもあるが、新車時の価格では到底手の届かないクルマを狙えるというメリットもある。そこで今回は激安でも高級感の味わえる中古車を独断と偏見でチョイスしてみた。

1)トヨタ・クラウン(12代目)

「かつてゴールだったクルマが、いまスタートになる」というコピーと共にメーカー自ら「ゼロクラウン」と言うように、すべてを一新したクラウンとして2003年末に登場したのが12代目となるクラウンだ。プラットフォームやサスペンションはもちろんだが、一番大きく変わったのがエンジン。それまでの直列6気筒エンジンを捨て、新開発のV6エンジンを搭載したのだ。このGR型と呼ばれるV6エンジンは、その後レクサスにも搭載されたほか、現行のクラウンにも引き続き採用されている。

 なお、12代目クラウンの中古車は、アスリートで30万円前後から、ロイヤルであれば10万円台から狙うことができる。新車価格の1/10というから驚きだが、クルマの価値は決して1/10まで下がってはいない。

2)ホンダ・レジェンド(先代)

 かつて存在していた国産車の馬力自主規制値である280馬力を初めて突破(300馬力)したのがこの先代レジェンド。そればかりがクローズアップされがちの先代レジェンドだが、もっと注目してもらいたいのが、世界初の前後輪と後輪左右の駆動力を自在にコントロールする4WDシステムの「SH-AWD」だ。このシステムは新型NSXに「SPORT HYBRID SH-AWD」として進化したものが搭載されているが、その元祖と言えるもの。まさに”クルマが曲げてくれる”システムが装備された高級セダンというわけだ。

 そんなレジェンドも、中古車となると30万円前後から狙うことができる。一番タマ数が多いボリュームゾーンも50万〜60万円と、こちらも500万〜600万円という新車価格から比べれば1/10となる。

3)日産・フーガ450GT(初代)

 高級車といえば、やはり大排気量NAエンジンのトルクフルで余裕のある走りが魅力と考える人もまだまだいらっしゃることだろう。しかし、最近はダウンサイジングターボやハイブリッド機構を備えたものなど、純然たるNAエンジンを搭載したモデルは減少しているのが現状だ。そこでチョイスしてみたいのが、初代フーガのモデル途中で追加された450GT。V型8気筒4.5リッターエンジンは333馬力/46.0kg-mを発生し、並みのスポーツカーを凌駕するスペックを持つ、まさにスポーツセダンである。

 さすがにトップグレード扱いだった450GTだけに中古車のタマ数は多くはないが、安いものなら50万円以下、程度がよさそうな個体でも100万前後で狙えるのは嬉しい誤算と言えるだろう。

 なお、こういった高級車を狙う際は、走行距離や年式にとらわれ過ぎず、過去のオーナーをチェックしたい。今は個人情報の兼ね合いもあるため詳細を見ることはできないだろうが、法人オーナー車であれば距離が進んでいても定期的な整備をしっかり受けている可能性が高い。そのため、記録簿はしっかり確認しておきたいポイントなのである。