画像提供:マイナビニュース

写真拡大

どの職場にも大なり小なりのパワーハラスメント(パワハラ)が一つや二つはあるはずだ。厚生労働省は職場のパワーハラスメントを「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義。具体的なパワハラの種類として「身体的な攻撃」「精神的な攻撃」「過大な要求」などの6種類があるとしている。

同省が公表した「平成28年度職場のパワーハラスメントに関する実態調査報告書」によると、過去3年間にパワーハラスメントを受けたことがあると回答した従業員は32.5%で、平成24年度の調査時よりも7.2ポイント増加。この数字を単純にとらえると、オフィスの3人に1人は直近3年以内に何らかのパワハラを経験していることになり、決して看過できる問題ではないのは明白である。

翻ってこのパワハラトラブルを考えてみると、日本企業特有の問題なのだろうか。1週間あたりの法定労働時間や、国民の仕事に対するスタンスなどは各国によって大きく異なる。日本以外の国で育った人たちにパワハラ問題はどう映るのだろうか。日本在住の外国人20人に、母国でのパワハラの有無と併せて聞いてみた。

Q. 上司が必要以上に部下をしかったり馬鹿にしたりするパワーハラスメントが日本でよく起きていることについてどう思いますか?

○日本のパワハラはひどい・残念

・「パワハラ、モラハラ、セクハラが職場内であることは残念なことです。私はいじめは日本の文化の一部と考えてます。日本の小学校からいじめがあり、弱い人をいじめて自殺に追い込むケースもたくさんあります。そういういじめっ子が将来、パワハラをする人になるのでしょう。もしくは、小さいときにいじめにあった人が大人になって、ある程度権力を持つ立場になったら、今度は下の人に自分と同じ目にあわせようと思い、パワハラをするかもしれません。一方、母国にはパワハラはあまりありません。子供は『弱い物には優しくするように』と教えられてます」(エジプト/30代前半/女性)

・「とても残念だと思います。松下幸之助さんを生み出した国でそれが起きるなんてもったいないです。残念ながら、日本だけではなく、母国もほかの国にもパワハラの問題が増えているみたいです。母国ではパワハラを訴えたら裁判になります。日本でももっと勇気を出して訴えたら、いろんな職場がよくなると信じています」(イタリア/20代前半/女性)

・「地位を利用してパワハラをするのは間違っていると思います。母国ではそんな目にあったことはないですが、今はあるかもしれません」(パラグアイ/50代/女性)

・「パワハラはもちろんよくないと思います。さまざまな人材のポテンシャルをつぶしたり、悪循環を起こしたりすると思います。どこにでもある問題ですが、シリアの場合は『逆パワハラ』というケースもあります。例えば、強いコネで就職したダメ人間は、叱ったり怒ったりできないまま、周りの足を引っ張って仕事の循環が悪くケースもあります」(シリア/30代後半/男性)

○日本ほどではないが母国にもある

・「フィリピンにもないことはないですが、日本のパワハラの程度とは違いがあると思います。フィリピンは会社の最上位に位置する上司の1〜2人が会社員全員に対して偉く振る舞っていますが、日本のハラスメントのほうがはるかに怖いと思います」(フィリピン/30代後半/女性)

・「パワハラは残念なことだと思います。母国にもあるのですが、日本よりはるかに少ないです」(スペイン/30代前半/男性)

・「パワハラは『職場での痛み』だと思います。全然意味がありません。香港でもパワハラはありますが、日本ほどではありません」(香港/20代後半/男性)

・「フラストレーションや本音をうまくリリースできないコミュニケーション不足の問題に加え、日本人は上下関係に従うようプログラムされていると思います。これは様々なハラスメントにつながると感じます。母国にももちろん起こりますが、それほどひどくはないと思います」(ドイツ/30代前半/男性)

・「パワハラは最悪と思う。ロシアにもあるけど、日本のようなレベルじゃない」(ロシア/20代前半/男性)

・「パワハラはとても酷いと思います。今現在、まさに上司からパワハラを受けています。タイでもパワハラはありますが、日本ほどは酷くありません」(タイ/40代前半/男性)

○その他

・「日本ではよく聞きますが、ハンガリーはあまり聞かないです。ハンガリーでも上司が部下を苦しめることはあると思いますし、解雇の可能性を感じさせる態度を上司がとることもあると思います。でも社会問題までにはなっていないですね」(ハンガリー/30代後半/女性)

・「パワハラは腹が立ちますね。上司は上司というだけで偉いと思っているのでしょうが、部下はきっと上司が知らないことをたくさん知っていると思います。なので、偉そうにしている場合じゃないです。パワハラはアメリカにもありますし、たまにそれについて裁判があることも。でもセクハラの方が多いかな……? 」(アメリカ/30代前半/女性)

・「パワハラはどこにでもあると思います。単純に人の気分に振り回されます」(スペイン/40代前半/女性)

・「母国ではパワハラがあまり聞かないですが、強く叱られたらやめていく部下が多いです。叱るときは特に気をつけます」(カンボジア/20代前半/男性)

・「マレーシアでもよくある話。だから転職率は高い」(マレーシア/40代前半/男性)

・「パワハラはよくないです。ポーランドでもたまにありますが、すぐ仕事をやめます」(ポーランド/30代前半/男性)

■総評

今回のアンケートによって、日本以外の多くの国にも程度の差こそあれど、パワハラは存在することが明らかになった。ただ、「母国のパワハラの方がひどい」とする趣旨のコメントは1件も見当たらなかった。このことからも日本企業に根付くパワハラは比較的きつく、それを懸念している外国人も少なくないようだ。

もしも現在パワハラで悩んでいるようならば、企業の相談窓口や労働局に相談するなどして、現状の改善に努めてほしい。

※写真と本文は関係ありません

調査時期: 2017年7月21日〜2017年8月21日

調査対象: 日本在住の外国人

調査数: 20名

調査方法: インターネット応募式アンケート