施設内でくつろぐ入寮者たち。今はあえて管理を緩くして、居心地重視で長期入所させるように仕向ける。

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ニートたちを次々と寮送り。受け入れるほど儲けは膨らむ

 今年6月、内閣府発表の『2017年版 子供・若者白書』によると、20〜34歳のニートは48万人。この統計に含まれない35歳以上の高齢ニートは123万人(※総務省『2016年 労働力調査』より)と合計171万人にもなるが、「彼らを食いものにする悪徳ビジネスが横行している」と明かすのは、ニート支援NPOのスタッフである。

「最近は各地に引きこもりやニートの社会復帰を目的とした自立支援寮がありますが、金儲け目的で運営する施設も一部存在します」

 例えば、入寮費の相場は10万〜20万円程度。だが、悪徳施設のなかには100万円以上を支払わせるところもある。さまざまな名目でお金を支払わせる事案も発生しているという。

「引きこもりを部屋から強引に施設の職員が連れ出すドキュメンタリー番組がテレビで放映されていますが、あれを真似する施設も多い。しかも、寮に連れていくだけで300万円請求するところも。こうした施設の情報は一般にあまり知られておらず、ネットで調べても実態を摑みにくい。そのため、情報弱者のニートを抱える親たちは言われるがままお金を払っているのが現状なんです」

 さらに悪徳自立支援寮では労働研修という名で働かせ、賃金をネコババしているケースまである。

「受け入れ先と共謀する場合も多く、労働力を安定して供給する見返りに多額の報酬を施設運営者が受け取るのです。夜の繁華街で飲み歩いたり、高級外車を購入するケースを何度も見てきた」

 こうした悪徳施設では社会復帰支援を謳いつつも、早期退所はさせない。魂胆はこうだ。

「毎月の寮費として1人15万円を徴収しており、郊外の戸建てに押し込み、前述した労働研修の報酬ネコババを加えると10〜20人規模の施設でも月100万円の利益は堅い。組織もあえてNPOにしないなど、規制の目をかいくぐる方法も編み出されています」

 弱者を食いものにするビジネス、ここに極まれり、だ。

取材・文/タマ興業+SPA!情弱ビジネス研究会、図版/ミューズグラフィック
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