コンビニ業界の知られざる裏側を、内情に詳しいライターの日比谷新太さんが詳細にレポートする当シリーズ。前回の「最低時給アップがコンビニに与える影響」に続き、今回取り上げるのは肌寒くなってきたこれからの季節にぴったりの「コンビニおでん」について。日比谷さんによると、コンビニおでんは店舗によって出来・不出来に大きな差があるらしく、美味しいおでんを出す店かどうかを見極めるためには、ある具材の状態をチェックすると良いんだそうで……。

おでんの美味しさは仕込むスタッフの腕次第

おでんがよく売れる時間帯は、だいたい夕方の18時以降。仕事帰りのサラリーマンの夕食需要、そして近隣に住む主婦たちも、家族の今夜のメインディッシュ用として購入していきます。

コンビニ側は、その夕方のピークタイムに間に合うように、前もっておでんの仕込みを行っています。作業を始めるのはおおよそ15時過ぎぐらい。平日の場合、午後のシフトに入っている主婦パートさんに任せる店が多いようです。

昼食時にも近所のOLさんがスープ代わりに購入していくので、そのピークが過ぎた後におでん鍋の清掃作業を行い、以下のような手順で新たに仕込み始めます。

,でん鍋に水・出汁・スープ(素)を入れる

具材の下ごしらえをする

(最近はなくなりましたが、厚揚げ等は油抜き作業が必要でした)

おでん具材を見栄え良く鍋の中に配置をしていく

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30分ほど煮込んだら、蓋を開けて販売開始となります。これら一連の作業には、だいたい1時間ほどかかります。

おでんの出汁ですが、同じチェーン内でも地域によって微妙に変えています。またそれ以上に、油もの(厚揚げなど)、肉もの(つくねなど)、魚ものといった様々な具を、いかにバランスよく仕込むかによって、おでんの味わいは大きく変わります。つまり、仕込み作業を担当するスタッフの腕次第で、味の差は結構出てくるものなのです。

また順調におでんが売れていくと、具材の追加投入が必要となってきます。この追加投入のタイミングや追加すべき具材の見極めも、経験が大いに問われるところです。例えば金曜日の夜なら、酔っ払ったお客さんが多く来店することを想定して、おつまみになるような具材を多めに仕込んでおくといった感じです。

一定の時間が過ぎると、売れ残った具材は当然廃棄しなければいけません。欠品は避けつつ、それでいて余りすぎないように投入量をコントロールする……その匙加減が結構難しいのです。

おでんを爆発的に販売する取組み

おでんの販売が始まるタイミング等によく開催される「おでん値引きセール」は、コンビニ側としても大いに力が入るイベントのひとつ。仕込みを担当するスタッフとしても、その売れ行きはかなり気になるところですし、また大いに売れればモチベーションアップにもつながります。

セール期間中は、店特製のTシャツを作成する店もあれば、鍋の周辺に暖簾や提灯を飾っておでん屋さんらしい雰囲気を演出したりと、様々な取組みを行います。また店によっては主婦層向けに、煮込む前の状態の商品を「今夜のおかずセット」として販売するところもあります。

美味しいおでんを販売しているコンビニの見分け方

コンビニのおでんは煮込み時間が長くなってしまうと、具材が固くなるとともに、味が濃くなりすぎてしまいます。

程よく煮込まれた美味しいおでんかどうかを見極めるためには、まず出汁の状態をチェックしてください。美味しいおでんを出す店では、追加の具材や出汁を随時投入しながら煮込んでいるため、出汁が濁ることなく透き通っています。

いっぽう具材では、はんぺんをチェック。はんぺんは他の具材と比べて煮込みすぎの状態になるのが早く、鍋に投入してから1時間後には表面の色が白色から茶色に変化してしまいます。

コンビニとしては、すぐに煮込みすぎになってしまうはんぺんは、廃棄になりやすいため、あまりおいそれとは投入したくない具材です。そんなはんぺんが、常に真っ白い状態で鍋一面に咲いているように並んでいる店のおでんは、間違いなくよく売れている(=美味しい)はずです。コンビニでおでんを購入する際には、このようなポイントも参考にしてみてください。

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出典元:まぐまぐニュース!